第八章「謎の団体」
(記:ケイジさん)
彼は期待を胸に電話を掛けた。
「あの、その刑務所に服役している天野照子さんと、ブローノ・ジェルミーさんに会わせてくれませんか」
「ここは、一般人が立ち寄れない国家機密になっている隔離刑務所ですよ。 それを分かって電話してるんですかあなた?
……どうなんですかっ!」
「しっ、失礼しましたっ!」
「どうやら、あの刑務所は何か「訳あり」の罪人達を収容しているようだ……」
そして、彼は刑務所を諦めもう一つの番号に電話を掛けた。その番号は、あの研究所を提供してくれた団体の電話番号だった。
……そう、彼はアメリカ軍に利用されていた事を知らず、研究を続けていたのだ。
「すいません、この団体の責任者を出してください」
「あなたは誰ですか」
「私は貴方達に仕事を申し込まれた者ですよ、貴方達が勧誘したんじゃないんですか」
「名前をお願いします」
「……尾崎哲也です」
少し沈黙し、男は話した。
「たしかにあなたが関係者と言うことはわかりました、でも、私達が何者か、私達が貴方達に研究させていた物は何か、
その他の情報など全て教えることはできません」
そう一方的に言い放つと電話は切れていた、何か凄く焦っていた様子だったが。
そのころ、隔離された島のさらに隔離された刑務所では。
「これが私の知ってる全てよ。もう気が済んだ?」
「そうか……前からうすうす気ずいてはいたけどな……」
「それより、他の人からも私達の様な力を感じるわよ」
「てゆうことは、ここは俺らみたいな能力のある者を捕まえてるのか?」
「そうかも」
言葉を濁した照子にジェルミーはイラついたが、こいつも自分の置かれている状況のヤバさに気ずいてきたらしい。
そのころ病院では医師達のみが全員殺されていた。
「やはりここでも「アルティメットシイング」の実験が……このへんの病院はほとんどアルティメットシイング用の手術室が
完備してあるみたいだな」
「そうみたいだな」
「私達は絶対にアメリカを許さない……」
そのころ謎の団体では人間が続々と殺されていた。