第三章「傷跡」
記:すずらんさん
その生存者はおぶっている研究員の血を頭からかぶりながら必死に病院へと向かっていた。
病院についた頃には研究員の意識はなかった。
そいつは緊急治療室へと姿を消した。
・・・どれくらい経っただろうか。
医師は言った。
「意識は取り戻しました」
僕はホッとした。
しかし医師は続けた。
「しかし、後遺症がひどく、現在の顔は・・・」
医師は言葉をにごらせた。
僕は医師を押しのけて中に入った。
・・・・僕は唖然とした。
ベッドに横たわる研究員の顔は、もはや人間の顔ではなかったからだ・・・・。