EVIL HAZARD

ゼクロス・アークウィンドさん 作

 

EPISODE1 「事の始まり」

 時は22世紀、地球には「アンブレラ・コーポレーション」と呼ばれる有名な製薬会社が存在していた。

その「アンブレラ」の名の由来は「人々を守る傘」となる事だ。一見、気高き言葉と思えるだろう……
 しかし彼らの裏の顔、つまり本性を見れば、その言葉は皮肉に思えてくるだろう……何故なら……

そのアンブレラとは「人々を守る傘」ではなく「自分達を守る傘」と言えるのだから。

「……困ったことに上層部は改造人間を主流の兵器として採用しています」

「等身大としてはその身体能力は<タイラント>以上……

 しかし単純な殺人能力、自己再生能力は改造人間<サイボーグ>以上なのだ、いづれまたB.O.Wが日の目を浴びるさ……」

 表情を曇らせながら会話している男が二人……その男の二人の共通点はまるで科学者が着るような白衣を着ていることだ。

「ですが……どちらにしろこの流れは止められないでしょうな……生体兵器から改造兵士へ…… 
 上層部はウィルス漏れやそして身体能力の事を考えて改造兵士を主流にしようとしていますから……」

「確かに流れは止められないかもしれないが……我々の生物兵器の技術が埋もれるわけではないだろ?
 そう遠くない未来、我々の生物兵器の技術、そして奴らのサイボーグ技術が合わさった二重改造兵士<キマイラソルジャー>が生まれ、
 それがこの世界に新たな秩序を生み出すだろう……皮肉にもな」

 部下らしき男の懸念の言葉にそう言い返した上司らしき男、返答者の表情には気のせいかどこか喜びを、
嫉妬を浮かべているような気がした。そんな時、彼らのいる部屋にあるモニターに光がついた。

「諸君……我々アンブレラがこの乱れた世界に新たな秩序を作り上げる土台として、日々精進を重ねるのだ!」

と常人が聞けば、発言者の人格に疑問を抱かざるを得ない言葉……
しかし「アンブレラ」の社員にとっては、その言葉は天使の言葉にもそして悪魔の囁きにもなるのだ。

「日々精進……、それほど技術を研究しなければ今の世界の戦力には立ち向かえないという事か……」

 その発言者……いや彼らの上司<幹部>とも言うべき男の演説の途中でそう呟いた部下の上司の男。

「だが今日、我々はS.M.Rプロジェクトを始動する事にした」

 その時、モニター越しに社員たちに語りかける男が<本題>を持ちかけた。

「S.M.RプロジェクトのS.M.Rとは<System.Masked.Rider>の略称、
二輪兵器の携帯、そして防護強化服を纏う素体で完成する次世代高性能兵士である。
  そのSMRを二つの部門に作らせ……優秀な部門のSMRを時期主力兵器として採用する!!」

「……Masked.Riderか……」

 幹部らしき男の発したMasked.Riderにキーワードを感じ復唱する男……

その表情には自然と笑みが浮かべられており、希望を掴み取る事が出来たっといったものであった。


「しかし二輪兵器はどの部門共通なので、双方は素体、強化服のみに集中する事が出来るようにしている……では諸君の健闘を祈る」
 幹部らしき……いや幹部である男がそう言い残すと、その瞬間小さな音と共にモニターの画面が黒くなった。

「博士……どうやら我々の生物兵器の技術が日の目を見る時が来るようですね!!」
「あぁ……我々の持てる技術を全て駆使する時がな」
その直後、途端に賑わい始めた。 二人の男の顔は先程の深刻な表情が嘘のように消え、嫌な程に明るくなったのだった……。

「よし、まずは素体の拉致だ……優秀な素体を改造しよう……適任の者を知っているか?」
「……本郷真はどうでしょうか? 知能指数250で優れた運動神経を持つ元バイクレーサーで有名な男です」

 博士と呼ばれた上司である男の問いに一端間を開けてそう返答した部下である男。

「本郷真か……素体としては申し分ないが……その男は今は何をしていて、どこにいる?」
「教師をしています、確か……あの蒼い耳無しの持ち主が通う小学校の担任です」
「……あの耳無しの持ち主の学校か、奴がいたらやっかいだな」

「まぁ、今になって背に腹は変えられんでしょう……」
「それもそうだな……」

 上司の問いに答える部下、そしてそう答えられた上司は長方形の小さな物体<通信機>を白衣のポケットから取り出して、
それを自分の口元に近づけ……

「本郷真を拉致しろ……授業中? 構わん改造には時間が掛かるのだ、一刻も早く改造に取り掛からなければならん」

 そう告げると、プチと音が切れた……ある種これから始まる戦いは実質この命令から起こると言っても良かった。


「セワシ君……普段学校ではどうしているか、気になるから見に行くよ」
「(お兄ちゃん、今までのび太さんの世話をしていたからその反動で気になったのかしら?)うん、それじゃあ行ってらっしゃい」

 120CM代の蒼い物体が、こちらより小さい黄色い物体にそう告げた、
その蒼い物体とは猫型ロボットだがとある事が原因で耳を無くし体が青くなった「ドラえもん」、そしてその妹ロボットである「ドラミ」だ。

 ドラえもんは自分の腹部にある白いポケットから黄色いタケトンボのような金属の物体を取り出した、
頭部などの部位に付ければ飛行可能になる道具<タケコプター>。それを自らの丸い頭に付けるとそのまま外へ飛び出た。


「セワシ……お前は居残りだ。 先生がみっちり勉強を教えてやる」
「そ、そんな……」

 教師である青年が小学4,5年生程の少年にそう告げた。その直後、ついでにと言わんばかり説教を始める青年……
教室の窓の外には女子小学生が窓越しでその青年を見ていた……

 何故ならその青年は俗に言う「イケメン」と言える程のルックスとスタイルを誇っていたのだから。

「へぇ、あの人がセワシ君の担任の本郷真先生……ドラミの言う通り格好良い人だな……」

 そう呟いたのは蒼い猫型ロボットドラえもん……彼はタケコプターで外からセワシとその担任である「本郷真」を見ていた。
しかし誰も彼に気づいていない、それもその筈、彼は今「透明マント」をかぶっているのだから。

「まったく……きちんと勉強しておかないと、将来後悔するぞ?」
「すいません……これからちゃんと勉強します……」

「やれやれ、のび太君と言っている事が同じだな……」

 説教を窓越しとそして自分の持つ道具で聞いているドラえもんはその光景に、
かつて自分が時を越えて世話をした少年のことを思い出す、共に生活して、
そして壮大な冒険、戦いを繰り広げたことが一気に浮かび上がってきた。

「(やれやれ……セワシの成績には本当に頭を悩ませるな……)」

 溜息をついた「本郷真」……その顔には彼に対して若干諦めの表情と呆れた表情が平行して浮かび上がっていた。

「(あの先生も大変だけど……その先生を見つめている女の子達はもっと大変そうだ)」

 ドラえもんは説教する本郷とその本郷に説教されるセワシとその本郷を愛しそうに見つめる女子生徒の光景を見てそう思った。
でも、彼はそれが微笑ましく感じてもいたが……

「……博士、本郷真のいるクラスを突き止めました。」

 そのクラスの外の陰……何かの物体越しにそう呟いた黒尽くめの服装をした男がいた……
一人だけではなく複数おり、その男を含めると六人だった。

「……やれ」

 その物体越しにそう告げた男……その男は「博士と呼ばれた上司である男」であった、その一言と共にその体を動かす男達……そして

「!? きゃ」

 あと続く前に目を閉じた女子生徒達……そしてその状況を瞬時に察した<二人>……そして

「な、何だお前、いやあなた達は!?」

 本郷を見ていた女子生徒達を気絶させ、その直後教室に入ってきた黒尽くめの男達にそう問いかけた本郷……

「我々と来て貰うぞ」
その問い掛けにそう答えた男達の一人は、その直後<目的>を果たすために体を動かした。

「セワシ! 教室の隅でじっと待っていろ! 奴らはおそらく俺のみが目的の筈だ!」
「は、はい!」

 

 本郷の言葉に大人しく従ったセワシ……いや従わざるをえなかったのだ……
何せ相手はいかにも何かの訓練を受けてきただろう謎の集団なのだから。

 本郷はセワシを教室の隅に待機させるとその直後、腹部を殴られ倒れ込みかけるとと、
その追い討ちと言わんばかりに背中に強烈なエルボーを食らい遂に倒れこみ気絶した、
それを見ていたドラえもんは窓を突き破ろうとしたが、その直後の状況を予想しそれを止めた。

自分の行動が原因でセワシの命を危機に遭わせかねないからだ。

「……博士、本郷真を気絶させました、これよりそちらに向かいます」
「ご苦労」
本郷の気絶を確認した黒尽くめの男が通信機を取り出し、そう告げると……別の男がセワシに近寄りこう言った。

「この件の真実を言わないようにあの気絶させた女子生徒達に告げ、そう心がければ命は狙わん……
 恐らくマスコミは教師の謎の拉致事件とかで報道するだろうかな……俺も子供を殺したくないんだ……さらばだ」

 と……そうしてその男は通信機で「博士」に連絡していた男に歩み寄った。

「では帰還します」
と男が通信を切った……その直後……

「おぉぉぉぉっ!!」
透明な何かが叫び声と共に窓ガラスを突き破った。

「な、何!?」
唐突の出来事に驚愕する黒尽くめの男達……そして

「やっぱり黙って見ていられなかったよ……セワシ君」

 その一言と共に姿を現した蒼い物体……「ドラえもん」だ。

「ド、ドラえもん!? もしかして僕の様子を見に来て……」
思わずそう叫んだセワシ、そして彼の発した「ドラえもん」に反応した黒尽くめの男の一人が

「ド、ドラえもんだと!? まずい……奴は今まで強力な時間犯罪者の逮捕に導いてきたロボット……
 かなりの戦闘技術を誇っているぞ!?」

 説明口調でそう発したのだった、そして

「どこの馬の骨か分からない集団だね? セワシ君を怖い目に合わせたあんた達を……放っておくわけにはいかないよ?」

 この状況にもかかわらず落ち着いた口調でそう言ったドラえもん、口調は落ち着いているが、実際その表情、
言動は怒りが込み上げていた。

「隊長、あなたは帰還してください! 俺達が時間を稼ぎます!!」
「……すまない」

 ドラえもんの状態を察した彼らは本郷を担ぎ上げている男にそう告げた、
するとその隊長と呼ばれた男はドラえもんをふと見つめて一瞬歯軋りをしたその直後、彼の姿が目の前から消えた―――

 おそらく22世紀の技術で作った<転移装置>だろう。

 


それによって姿を消した隊長と呼ばれた男……そしてドラえもん目掛けて前進した彼ら……

「言っておくけど……僕はただの家庭用の子守猫型ロボットじゃないよ!!」

 ドラえもんがそう叫ぶと、自分に最初に襲い掛かってきた男を瞬時に腹部を殴り倒れ込ませた、この瞬時の行動、
普段はのんびりとしている筈のドラえもんだが、戦いになると「今までの冒険」で養った技術を駆使するようだ。

「はぁっ!!」

 三人で彼に飛び蹴りを放とうとする彼らだが、
ドラえもんは瞬時にその腹部にあるポケットから相手を気絶させるための銃である「ショックガン」を取り出し、
その三人目掛けてショックガンのビームを撃ち気絶させた。

「く、くそっ!!」


先程の彼の鮮やかな早撃ちでやけくそになったのか、最後の一人はドラえもん目掛けて突進してきた。

無論、それが通じるドラえもんではなく、まるでギャグ漫画の光景かのようにラリアットでその突進してきた男を転倒させ……
その男の腹部を殴った。

「ぐぅ……」


 先程ドラえもんに突進し返り討ちにされ殴られ倒れこんだ男が呻いていた頃にはその男以外の黒尽くめの男達は
ドラえもんのポケットから出された秘密道具である紐で全員拘束されていた。

「さぁ、セワシ君の先生をどこに連れ去ったか教えてもらうよ? 教えなかったら、秘密道具のくすぐりノミで拷問にかけるから」

とどこか陰のある笑顔を浮かべ、「くすぐりノミ」が入れられているビンを顔に押し付けそう言ったドラえもん、
その形相にたちまち恐怖を感じた先程倒れこんでいた男は彼を蒼い悪魔と呼ぶ事にしたとかしていないとか……

「わ、分かったから、その笑みを浮かべて、それを押し付けるのはやめろ!!」

この状況に震え上がる彼は、たまらず自らのポケットからある一つの小さな物体を取り出した。

「これは本郷が改造されるであろう研究所の入り口付近に転移できる小型装置だ……頼む、拷問はしないでくれ」

と震えながらその小型装置をドラえもんに手渡す男、しかし当の本人は……

「うん、拷問はしないよ……でも、タイムパトロールには通報するから」
「通報……まぁ必然の事……え? タイムパトロールは確か時間犯罪専門の筈……」

「やだなぁ、僕はタイムパトロールとのコネがあるんだよ?」

男の顔、体に衝撃、そして恐怖が体を駆け巡り始めた……そしてその追い討ちのようにドラえもんからの一言が……

「いっておくけど、僕は時間犯罪者如きだけではなく多くの化け物と戦いを潜り抜けてきたスーパーロボットなのさ……
 この僕に会った事を不運、いや幸運に思うんだね」

 彼の口から語られた今までの履歴……それを聞いた男はますますこう言いたくなった「蒼い悪魔」と……
しかし、言ってしまったらドラえもんに何をされるか分からないので言う事を堪えた。

「タイムパトロールですか?  僕ドラえもんです、セワシ君とその担任の先生に襲い掛かってきた変質者集団を捕まえたんですが、
 その担任の先生を拉致して一人逃げました……応援に来てください」

「へ、変質者集団……」

 ドラえもんは自らの腹部にあるポケット<四次元ポケット>から男の取り出した物体と酷似した物を取り出すと、
それを自らの顔の近くに当ててそう言い放ったのだった。

「キッド、君の上司から通報が来たんだが……
 何でも変態集団がセワシ君とその担任をいろんな意味で襲ってきて、担任を誘拐したらしい」

「隊長、通報の伝達ぐらい真面目に言ってください」

 先程の通報は無論ちゃんとTPに届いており、その通報の通信に答えるのは……<ドラえもん>縁の者、いや物だった。

「おぉ、ドラえもん……」

<キッドか……君だったら気兼ねなく話せるね……>

 その通報者に応答した者、もとい物、それは通報した「ドラえもん」のロボット学校の同級生でもあり……
そして彼の組織しているチームの一人でもある「ドラ・ザ・キッド」だった。

<僕の頼みだ、一緒に>

「まずは現地についてからだっつーの!」
頼み込んできたドラえもんに、口を割りそう突っ込みを入れたキッドは通信を切った。

「(……暇だから、道具の整理や装備する道具の選択でもしておくか……)」

 ドラえもんはふとそんな事を思うと、自分の四次元ポケットからありとあらゆる物を取り出し始めると、
どこか不調が無いかと取り出した道具を手作業で見る……そんな作業が数分間続いて……


「ドラ・ザ・キッド、ただ今現着!」

 そこにドラえもんの仲間であるドラ・ザ・キッドが到着した、
彼の着ているジャケットにはTPと書かれた星型のシンボルマークが煌いていた。

「犯罪者、逮捕ご協力に感謝するドラえもん君」

 そこに立派な髭を生やしたサングラスをかけた男がドラえもんに声をかけると、
それに連なるかのように複数の彼の部下らしき隊員達が足をそろえた。

「さっそくだけど……キッド、僕と一緒にセワシ君の担任を救出してくれないか?」

 ほぼ唐突にドラえもんに問い掛けられたキッド、その直後彼は不適な笑みを浮かべ……

「ああ! ドラえもんズのリーダーの頼みだ、協力するしかないだろ?」
と答えると、右手の空気砲の砲口にふっと息を吹きかけたのだった。

「待ってよ、ドラえもん! 僕も行くよ!」

「え!?」

 その時、セワシがそう言うと、彼はドラえもんの四次元ポケットに頭から突っ込んで何かを探り出し……ある物を取り出した。

「先生が連れ去られたのは僕の所為でもあるんだ……だから!」
とセワシはその手にある物……ショックガンを強く握り締めてそう志願した。

「お、おい……坊主、危険だ……本郷が連れ去られた場所には数十単位とはいえ、強力な警備兵がいるんだぞ!?」

 その時、セワシにそう忠告した男が……黒尽くめの集団の一人でドラえもんに脅されていた者だ。

「大丈夫……いざという時には僕の四次元ポケットの中に隠れさせるから」

 男にそう告げたドラえもん、男は彼の言葉で自らの「盲点に」気づき顔を赤くし始めたのだった……

「隊長、ここはあえて俺達だけで救出に行きますよ……集団で行動していたらおそらく犠牲者が出るでしょうから」
「そうか……すまない」

キッドの言葉に大人しく従うことにした隊長と呼ばれた男……そしてその隊長はセワシにある物を手渡したのだった。

「自動スーツ装着装置……この装置は、発動者の体格に合わせてスーツを装着させるもので、
 スーツは防護服の役割だけでなく、装着者の負った傷の再生速度と能力を強化する役目も持っているのだ……
 君のその勇気と責任感に応じてこれをやろう」

 男の説明を受けたセワシは、直感的にその装置の丸く光っている部分を押してみた……すると

「!?」
その装置から何かが放たれ彼の体に張り付き覆うと、それは衣服……黒っぽい藍色のスーツとなっていた。

「ありがとうございます」

 彼は男に感謝の言葉を述べると、ドラえもんの背後に寄り添った。

「キッド、セワシ君、僕に捕まってて……! よし行くぞ!」

 ドラえもんの言葉どおり、彼の体に縋り付いたセワシ、キッド……それを確認した彼は一瞬間を開けると、
黒尽くめの一人の男から脅して手に入れた転送装置のスイッチを押したのだった。

「行ったか……よし、その男達を連行しろ!」

 彼らの<旅立ち>を確認した男は部下たちにそう告げ、拘束されている男達とドラえもんに脅された男を連行させたのだった。



続く


〜オマケ〜

 

ドラえもん

詳細:今まで強力な化け物との戦いを潜り抜けてきた蒼い耳無し猫型ロボット、彼は「スーパーロボット」と自負していたが、
    確かに自負するにふさわしい戦闘技術を持っている。後々、凄い戦いぶりを見せる。


本郷真(ホンゴウ・マコト)

詳細:外見は仮面ライダーTHE FIRST及びTHE NEXTの本郷猛をイメージ。
    名前の由来は初代の本郷猛と「真・仮面ライダー序章」の「風祭・真(カザマツリ・シン)」
    彼は無論、アンブレラによって……


アンブレラ

詳細:元ネタは言わずもがなと言う程知っている人は多いがあえて言おう「バイオハザードシリーズ」だと
    これから先、ハンターやらタイラント等が出てくるが、改造人間がいるので立場は雑魚。超人ウェスカー? 誰ですかそれ?

 

 

EPISODE2  「首狩りの首を刈る」

「博士、本郷真を何に改造しますか?」


「俗称、怪人飛蝗男に改造するさ」

「飛蝗? 何故飛蝗なのですか?」

部下である男の問いにそう答えた上司にして博士である彼は、そう答えると横たわる男を見た、その男こそ拉致された「本郷真」だった。


「知らないのか? 飛蝗にはな、ある種のテレパシーともいえる特殊能力が備わっている……だから」
「それを応用すれば、テレパシーで統率し合い優れた協調性、統率力、連携攻撃力、戦闘能力を誇るS.M.R部隊を作れる……と?」

「その通りだ」
そして先程の男の問いにそう答えた博士、男は博士の説明に頭をゆっくりと縦に振った、それは納得と言った表情を強調するかのようだった。


「よし、では早くカプセルの中に入れろ」

博士と呼ばれる男が複数の部下にそう告げると、その部下たちは博士の近くに設置されているカプセルのカバーを開け、
その中に入れ、救命器具のようなマスクを本郷の口元に付け、そのカバーを閉めた。

「では改造手術を始める」

 博士がそう発した直後、そのカプセルの中に水が流入された……それもただの水ではない……

よくSFで出てくるであろう培養液という物であろう。

「……本郷先生がいる場所は、どこだろう?」
「というか、初めて来たんだから知るわけが無いだろ」

 ドラえもんの言葉にそう突っ込みを入れたキッド……三人は今、研究所らしき施設の廊下と思しき道を彷徨っていた―――

 途中、見かけた部屋に進入してそこにいた研究員らしき人間達を脅しながら、何かの手がかりとなる資料はないか探しながらだ。

―――だがしかし今まで目に付けてきた資料と呼べる物は全て日記だったとは言え、
これではいつドラえもんがコードネーム「蒼い悪魔」と付けられるか、そして彼らがブラックリストに乗るか時間の問題である。

「ドラえもん……何で、どこか目立つ入り口を探さないのかな?」
セワシは、堪忍袋の尾が切れたのかドラえもんにある種の「禁断の一言」を発して突っ込みを入れた……。

「ごめん、そうするべきだったよね……」
としゅんとしてそう呟いたドラえもん、しかしそんな時!

「セワシ、お前の言った直後に目立つ入り口が目の前にあるぜ?」

 キッドがセワシにそう言い放った、彼らの目の前には確かに目立つ……
いや目立つどころか自己主張していると言っているに等しいドアがあった、
そのドアは一般的なサイズよりもかなり大きく、縁には黒と黄色のラインがあった。

「じゃあ入ってみるか」


 ドラえもんの言葉と共に一斉にそのドアの向こうへ入った彼ら。まずキッドは右手の空気砲を構え、右を、左を、前を、
上を見渡し自分達に危害を加えそうな者がいないか確認するとほっと溜息をついてその部屋を調べ始めた。

「ここは資料室かな? でもにしては資料みたいな物はパッと見て一桁の数ぐらいしかないな……」

ドラえもんは棚を目の前にしてそう言い放つと、適当にその棚の中から資料の一冊を取り出した。

「これは……、セワシ君、キッド」

ドラえもんはセワシ、キッドを呼び出し自分の下へ駆けつけさせると、テーブルを見つけて、そこでその資料を読み始めたのだった。

「なんだこれ……ウィルスについて……!?」
セワシはその資料の題名を思わず復唱する、そして彼が資料を開き始めると、そこにはこう書かれていた。

『我々の生物兵器開発技術の要とも言える俗称<始祖ウィルス>と呼んでいるRNAウィルスは今やT-ウィルスを生み出し、
そしてそのT-ウィルスを生み出した技術でT-Veronica、G-ウィルスが生まれた。

 しかし、その始祖ウィルスを発見した<ジェームス・マーカス>とその助手である<ブランドン・ベイリー>、
<エドワード・アシュフォード>そして<オズウェル=E=スペンサー>も今となっては過去の人間である……

 もし三大ウィルスが作られた年代が早ければ彼らに感謝の意を表せす事が出来たと思うと非常に残念である。』

「生物兵器……? 本郷先生を連れ去った連中はもしかしてキャッシュ一味!?」

「何言ってるんだよ、キャッシュ一味は今も全員捕まっているぜ?」

 その資料、いや実質日記と言える物に出てきた「生物兵器」と言う言葉に思わず「キャッシュ」の名前を出したドラえもん、
そしてそれに補足・説明と言える突込みを入れたキッド。

 『しかし、このウィルスは多量に摂取されれば即死するが、一定の量が体内に入り込めば、感染者はたちまちゾンビのような容姿になる、
つまり皮膚が腐敗し、生命力が大幅に増強され理性が失われ食欲こそが感染者の活動理由になる……

ある種欠点としか思えない作用を持つウィルスだが、一定以上でなければ良いだけで、
このウィルスを使えば死んだ細胞を新生させる事が出来る……

例を上げるとすれば生まれつき足を動かせない人間の足を動かせるように出来る等だ』

 そして次のページに驚くべき……いや見たら驚愕せざるを得ない内容―――事実が書かれていた。


『このウィルスは異なる生物間の遺伝子交配をしやすくする効果があり、
 その効果を作って人間にT-ウィルスを投与させて遺伝子を変化させ、
 そこに他の生物の遺伝子を組み合わせて生み出した……<Bio.Organic.Weapon>略称B.O.W、即ち生物兵器を』

「……B.O.Wか」
「せいぶつへいき!? 本郷先生を連れ去ったあいつらは……こんなひどい事を!」

「こいつらによって化け物にされた人達は……何人、いや何百何千何万人いるんだ!?」

 この資料に書かれている事実を目にして感慨するキッド、セワシ、しかしドラえもんだけは復唱する程度の反応で収まっていた。

 何故か? それは彼が今まで超常的な存在と戦ってきたのだ……
ゆえにこの「生物兵器」の存在にはある種の懐かしさを感じたので復唱する程度だった。

「……ページはここで終わっているな」

 ドラえもんはこの資料が先程の事実が書かれたページで終わっている事を知ると、
すぐさまそれを自らの腹の四次元ポケット内に入れると棚から適当に資料を取り出し読み始めた。

「何だこれ? B.O.W二大傑作について……?」

 ドラえもんが手に取った資料にはそう書かれており、順番らしき数字が書かれていた……おそらく数冊に分けて、
その<二大傑作>についてのデータをまとめているのだろう。彼らはまたその資料に目を通すのだった。

『B.O.W二大傑作と呼ばれている物がある、それが「ハンター」、そして「タイラント」である。
 それについて纏めた記録をこの書物を含めて4冊作成した、まずこの記録を含めた前半の2冊はハンターについて、
 そして後半の2冊はB.O.W最強にして最優とも誉れ高いタイラントについてだ。』

そんな前書きで始まる<二大傑作>……そして次のページをドラえもんは開くと彼らは目を通したのだった。

『ハンター……それは人間にT−ウィルスを投与し、他の生物、主に爬虫類の遺伝子を組み合わせて生み出した生物兵器である。
 特徴としては簡単な命令を理解することが可能で且つ仲間内での連携を持てる程の知能を有しており、
 そして最大の特徴は強靭で屈強な体と、巨大で鋭利な爪である。その爪で首を一瞬にして刈り取られた人間は少ない……が、

 そんな<ネックハント>は隙が大きいのでまず相手が弱っている状態でしか使わない。
ので、もし奴らと遭遇した時は弱っている所を見せない事、つまり無傷でいる事が戦う事において最低の条件である。

まぁ爬虫類の特徴を受け継いでいるので、一定以下の温度だと活動を停止する……
しかし、そんな恵まれた条件で戦える確立は限りなく低い、その理由は簡単に予想できる筈だ。
ので、ハンターの遭遇時やむを得ず戦わなければならなくなった時、以上の点を心掛けて戦うように』
と前半の1冊はその「ハンター」の写真を交えた、記録で終わる。そして彼らは次の資料を読み始める。

 ハンターについて書かれた資料の後半の二冊目をだ。

『次はハンターの種類についてである。まずはハンターα……おそらく遭遇する確立が最も高いであろう、
 このαは前半の記録の写真に写ってある姿そのものなので、見分けはつくであろう。
 そしてハンター後は代表的な物を挙げるとすれば、コードネーム<フロッガー>ことハンターγだろう、歯が存在しない巨大な口、
 眼球が存在しない顔、青緑掛かった体色が最大の特徴、一目見れば蛙又は蛙取りと言いたくなるであろう。

 しかし、眼球が存在してはいないからと言って甘く見てはいけない、理由は優れた感知能力を持っているからである。
両生類がベースなので水中戦が得意だが乾燥、直射日光が弱点である。

他にはハンターμというハンターαを元に小型化に成功したものもある』

 ハンターについて記録されたものはそこでページが終わっていた……
そして彼らはついに「タイラント」について記録された資料を開き始めたのだった。

『タイラント、それはおそらくウィルスによって生み出した生物兵器の中ではある種最優とも最強とも言える最高傑作。
 タイラントは人間の成人男性をベースにウィルスを投与し、様々な肉体強化を施して製造されたB.O.W.。

 圧倒的な戦闘能力、そして生命力に加え、任務を遂行する兵士としての行動が可能な知能を持つ。
ので、タイラントとの遭遇は通常の人間にとっては死を意味するとも言ってもいい。

 タイラントを殺害するにはおそらくロケットランチャーか、それ以上の重火器が必要である。
それと多大なダメージを負うと、リミッターを解除して「スーパータイラント」と呼ばれる形態になる個体も存在するので注意すること。

 余談だがタイラントの特徴はハンターのよりも巨大な爪と等身で、その爪で串刺しにされたものは少なくないので戦う際は注意すること』

タイラントについて写真を入り交えながら書かれた資料……
それを読み終えたドラえもん達はついに「二大傑作」シリーズ最後の資料を読み始めたのだった。

『前者の書類で書いていなかったが、スーパータイラント化は呼んで字の如く、耐久力、攻撃力、俊敏性、凶暴性が増強される事。
 T-ウィルスの欠点である知能の低下は無論あるが、それは発展していくに連れて解消されつつある。
 しかしどれだけ技術が進歩しようとも結局暴走だけは制御できない、やはり生物の生存本能は機械の支配を超える程に強いという事だろう』


 その文章と共に載っている写真、彼らが先程見みて来た写真に写っている者の共通点は肌の色が灰色掛かっている事であったが、
その最期の資料に写っている者<タイラント>は赤みを帯びた肌をしていた……

 その肌の色で一瞬にしてタイラントの強化形態だと感じる事が出来た。

もし現実でそいつと出会っていたらあまりの分かりやすさにある種絶望していたかもしれない。

「本郷先生の捕まった場所を探しに行こう」

ドラえもんはそう言うと、自分達が得た資料を自らの腹の四次元ポケットに収納すると、その足を動かせたのだった。

「どれがいいかな?」
と呟きながら道具を自らのポケットから道具を取り出しては「良い」と思わなかった道具をポケットに戻す作業を歩きながらしているドラえもん、
その作業をする理由は無論「生物兵器」関係である。


「ううん……ジャンボガン、熱線銃、原子核破壊砲は強すぎて僕達がいる研究所を破壊してしまうし……
 かといっても調度良い威力の武器は無いんだよな……」

ドラえもんは相変わらずポケットから道具を取り出しては戻す作業をしながら歩いていた……が

「ドラえもん、目の前にエレベーターがあるぜ?」

 キッドの一言で顔を上げたドラえもん、その時にはセワシとキッドは既にエレベーターの中に乗っており、
それに遅れまいとドラえもんは慌ててエレベーターの中に入ると、その数秒後エレベーターのドアが閉まった。

「ううん、仕方ない。 ここはあえて戦闘用じゃない秘密道具で戦おうかな……」
とエレベーターが上昇している時にドラえもんが取り出した、小さな桃色の鉄球らしき物……
それはキャンプ用として開発された縮小巨大化が可能な「キャンピングカプセル」であった。

「(まさか、それで敵を刺したり潰すつもりか!? そりゃあショックガンや空気砲では心許無いけどよ……
 血塗られたキャンプ道具でキャンプするなんて嫌だぜ!)」

ドラえもんがキャンピングカプセルを取り出した事に対しそう思ったキッド……しかし

「やっぱやめておこう、使い続ければいつかは凹むだろうし」
とドラえもんはキャンピングカプセルをポケットに戻した。

「(よ、良かった……)」
キッドはドラえもんがキャンピングカプセルをポケットに戻す所を見てほっと溜息をついた。

「おや?」

 その時、エレベーターの動きが止まったかと思うと扉が開いた。その時表示されていた……階層の名「研究室の前」と

「……なんか、ここ重要な階層ですよって言ってるよな? 絶対」

 そう呟いたキッド……目の前には一つの十字路があり、
こちらから見て正面には約2.5メートルはあるであろう巨大な扉が立ち構えている、見た所自動ドアのようだ……

 しかし、誘惑するかのように左右の方向はどこか意味ありげな雰囲気を発していた。

「まずは左に行こうか、正面は何か危なさそうだし」

「(いや、左右の方向が正面より怪しくて危なさそうなんだが……?)」
とドラえもんはその足を運ばせ十字路の中央まで来た、そして彼の発言に心の中でそう突っ込みを入れたキッド……

そして遂に左側の通路へと足を運んだのだった……。

「なんだ?あれ?」

自分達が通っている通路、目の前には銀色の扉がある。 しかし自分たちが見てきた扉と同じ扉の筈なのに……
何故か身震いを感じたセワシ。それはある種彼の体の……警鐘かもしれない。

「入ってみよう」

 ドラえもんはそう言うと、扉の目の前で来たその直後、銀の扉は開いた。
それを確認したドラえもんは最初に中に入ると、それに連なりキッドとセワシも足を運ぶのだった。

「こ、これは!?」

 

 その扉の向こうにあった者達を見て思わずそう叫んだドラえもん。
まぁ叫んでしまうのも無理は無いだろう、何故ならば巨大な試験管らしき者に緑色の生物……

そう自分達が呼んでいた資料に載っていた「ハンター」が眠っていたからだ……それも13体もだ。



「こいつら13体もいるな……もし目覚めてしまったら厄介だぜ」
「キッド、13体じゃなくて13人いるって……言ってくれないかな」

キッドの一言にそう呟いたドラえもんはセワシの懐まで歩み寄るとその耳元でこう囁いた。

「セワシ君、僕が良いと言うまでは……四次元ポケットに隠れてくれないかな?」
「え? う、ん……」

 ドラえもんの一言と……そしてどす黒いとしか言い表す事しか出来ない不気味な笑みがセワシに四次元ポケットに隠れるように促す
……そして、セワシが頭から四次元ポケットの中に突っ込み、すぐに彼の全身が見えなくなった。

「セワシ君には見せたくない……のび太君はまだしも」

「ドラえもん?」

 そうキッドに告げたドラえもんは13個もある試験管らしき物の内の一つに足を運ばせ、
立ち止まった次の瞬間、何かが砕け散る音が彼らのいる場に響いたのだった。

「ド、ドラえもん……!?」

 キッドが唐突な光景に驚愕した、
それもその筈ドラえもんの腕が深緑の体色を持つ者の顎を頭部諸共129.3馬力の力でまるで
発泡スチロールを破るかのように砕いているのだから。……彼の馬力は今の時代のロボットと比べるとかなり低水準とも言える、

しかし……その馬力は生物にとっては脅威そのものであった。

「今度こそ本当に安らかに眠らせてあげるから、じっとしてて……」
と一言だけ発すると、その手に付着している赤い液体に濡れている深緑の柔いものを振り払い、
先程頭を砕いた<ハンター>の隣に眠っている<もう一人>を、その頭を、そのガラスごと……打ち砕いた。

「ドラえもん……」

 ただ彼の名を復唱するしかないキッド、その光景にただ「心」を痛ませる事しか出来ない自分に腹立たしく思うキッド。

 今、彼の名を復唱する事しか出来ないのは当たり前で当然かもしれない。

 その名を復唱されている彼は……「目」から<滴>を<涙>を流しながら、かつては人間の姿をしていた深緑の者達の……
頭部を打ち砕いて、殴り殺して回っているのだから。

「!!」

 最後の一体、いや<一人>が擬音語で表すなら「ギィ」とも「ギャオ」とも受け取れる発声をして、
自らを閉じ込めている透明な壁をその鋭利で巨大な爪で砕いたその覚醒者は激しく動いていた蒼い物体……
ドラえもんに狙いを付けるとその爪をターゲットの方向へ向け、そのまま勢い良く飛び掛った。

「……ごめん」
<それ>に気付いたドラえもんは、そう叫びながら拳を上段に打ち込む為の構えを取り、その構えた拳が放たれた瞬間、
鮮血と共にピチャともボタとも取れる音と共に赤く濡れた何かの欠片と共にその襲い掛かった<狩人>はドラえもんの懐に堕ちた。

「行くよ……キッド」
キッドにそう告げたドラえもんは、一足先にこの部屋から出た。キッドは彼の反応に一瞬呆然として立ち止まっていると、
すぐさま彼の後を追った。

「今度はあの扉の向こうへ行ってみるか」
と呟いたドラえもんは、こちら側から見て正面……そう自分達が乗ったエレベーターからの視点で言う右側へと踏み出した。

「今度は……蛇か鬼か」

 ドラえもんは呟いた後、自分から先にその扉の向こうへと入ると、それに連なりキッドも入っていった。

「ここは……」

 ドラえもんは当たりを一端見回すと自らのポケットにその顔を向けた。
この部屋は一言で言うならばおそらく医務室であろう。その証拠と言わんばかりに薬品らしき物が見受けられるのだから。

「セワシ君……君にはまだ早かったんだよ、僕やのび太君達みたいに化け物と戦っていない君が死体を見るのは……」
「……うん」

 自らのポケットから出たセワシにそう言ったドラえもん、彼の表情は曇りそのものであった。

「T-ワクチンだとか、G-ウィルス用ワクチンのデビルだとか色んなのがあるぜ」

「ワクチンか……押収して損は無いと思うよ?」

 キッドにそう言ったドラえもん、その言葉通りにワクチンと表記されている物体を自らの頭にかぶっている帽子
……四次元ハットの中に入れると他に何かないかとあたりを探し始めた。

「はぁ、棚を調べたが殆ど家庭で出回っている医薬品とかしかねえなぁ……」
「もうこの部屋に用は無いね、出ようか」

 キッドの言葉を聴いたドラえもんは一言だけそう言うと、一足先にその足を運ばせこの部屋から出ると、
それに連なり彼らもこの部屋から出た。

「よし、あの扉の向こうへ行くぞ!」
とドラえもんが叫ぶと、彼らは自分たちから見て右側、つまりエレベーターの方向からして正面の方向へ前進した、
ドラえもんを除く一同は「初めから行ってた方が良かったんじゃないの!?」と思いながら……そして

「あれ? 手がかりは!?」

 部屋に入りまずそう言って驚いたドラえもん、驚いたのも無理は無い、そこは図書室らしき場所であり、数々の本……
主に生物に関しての本が並べられている棚が自らの右側と左側の壁一面を埋めており、その前には……
食堂の食券販売機、自動販売機とそれの提供口があった。

「何かをすれば研究室への扉が開くとかそういうパターンじゃないのか?」

「そうなんだろうね、でも面倒くさいしお腹がすくな〜」

「……そういえば進入して何時間たったかな?」

「セワシ君、時計を見ない方がいいよ?」

 疑問を呈したキッドにそう言ったドラえもん、そしてそんな彼に問い掛け見事に誤魔化されたセワシ……
次の瞬間腹部のポケットから何かの風呂敷のような物体がそれを抱えている白い球形の物と共に現れた。

「グルメテーブルで腹ごしらえと行こうよ、僕はドラ焼きたくさん」

「腹が減っては戦えねえって事か、じゃあ俺はケチャップとマスタードの掛かったドラ焼きを大盛!」
「僕はハンバーグにしよう」
「グルメテーブル」だ。そのグルメテーブルに自らの食べたい物を言えば、
それが出てくるという「昔」の人間にとってはある種此上ない贅沢といえる代物だ。

「いやぁ、僕とセワシ君、キッド三人で食事するのは始めてだよね」
「そうだな、食事と言えばセワシの先祖ののび太ぐらいしかしてねえからな、野比家の人間とはよ」

 食事をしながら会話を交わすドラえもんとキッド……なんともどこか微笑ましい光景だ、この時以外でなければだが。

「ドラえもんが僕の所に本当に帰ってくるのが思ったよりも早かったのには、良かったか悪かったか迷っちゃうよね」

「迷う必要なんてないじゃないか、どちらにしろ僕はいつかは帰らなくては行けなかったんだし、
 それにのび太君の成長振りは僕の思い出の一つさ」

 どこか曇った表情で話しかけたセワシと、それに対比するかのように笑顔を浮かべるドラえもん……
それを見たキッドにはふと切なさが今までの思い出が込み上げてきた。

 しかしそれはドラえもんも同じ事で笑顔を見せながらこれまでの「のび太」……
いやのび太達との思い出が込み上げていた。それを思い浮かべながら食事をするのが約20分程続き、
自らの食べたかったものを食い終えた彼らは立ち上がり、ドラえもんはグルメテーブルを自らの腹部のポケットに収納した。

「よし、調べるぞ」
ドラえもんの一言と共に彼らは体を動かしたのだった。

「うーん、何かの仕掛けみたいなものは……?」

 そう呟きながらセワシは、棚に並べられている本を指で数え棚の外側に引き出していく……
しかしどれもこれもその本は「昆虫」「肉食動物」「草食動物」「人体」について書かれた本ばかりであった。


「本だけ見ると、生物学者のいる施設みたいだよな……ここ」

「そうだね……うん?」

会話を交わしながら棚を調べるドラえもんとキッド……ふとドラえもんは足元を見ると、そこに本があった……
「飛蝗」について書かれている本であると記されていた、嫌な程に分かりやすく。

「飛蝗……? 何だろう、これ?」

ドラえもんはその本にある種の「鍵」のような物を感じ取り、そのページを開くと、セワシとキッドもそれに連なり見始め……

『飛蝗にはある種のテレパシーと言える特殊能力があるらしい、
 そしてその飛蝗には怒ると黒い液を吐く物や体が黒くなるものがあるとどこかで見た。私はその特殊能力や脚力に着目した、
 これで優れた統率力を持つB.O.Wを作ろうと思ったがウィルスで知能が低下するのにテレパシーなど意味を成す筈が無いと気づき断念した。

 だがしかし、いつかその飛蝗に助けられる日が来るかもしれない、いや来てほしい飛蝗は私が始めて捕まえて飼った昆虫だ』

それは本というよりはある種の観察記録、手記に近い資料だった。

「……何か嫌な感じがするな」
「気のせいであってほしいね」

 ページを閉じてそう言ったドラえもんとキッド、その資料を手に取ったドラえもんは棚を見回してある事に気づいた。

「あれ? この棚の右下……空いているな」

それに気づいたドラえもんは、導かれるかのように自分達が読んだ資料をその空いている部分に納めた。

「え!?」

 次の瞬間、その空いている部分に資料を収められた棚が文字通り上にスライドした。
突然の光景に驚愕した彼ら……そして

「こういう仕掛けだったのか、まぁ複雑すぎるのもいざという時には厄介だろうが……な」
「仕掛け」に少し呆れ気味な表情を見せそう呟いたキッド、
その時には「棚」の奥に隠された入り口らしき所にセワシとドラえもんは一歩踏み出していたのだった。

「しかし、何があるんだろうね? この先には」

 ドラえもんがふとそんな事を呟いた、「開かれた道」を行く彼らだが、一分も立たない内にその向こうへ辿り着けた。そこには……

「……何か医務室っぽい体育館だな……」

「いやいや、体育館じゃねえだろ!?」

 ドラえもんが言った「医務室のような体育館」と言うのも一理あると言える、
何故ならそこは平成20年代の学校の「体育館」の内部のような広さを持つ空間なのだから。

 しかもその一番奥に扉が見える……恐らく「本郷」がいる場所だ。

「多分、あそこに本郷先生がいる……そう感じるんだ」
「奇遇だね……僕もそうだよ」

 ショックガンを手に取ったドラえもんとセワシ、空気砲を一瞬だけ掲げて腕を下げるキッド。

「行こうか」
とまるで指示されたかのように静かに、そしてどこか力強さを感じる足取りで歩き出した彼ら……

 ただ目の前の奥の扉の向こうへ行く為に……

続く


〜オマケ〜

ハンター

詳細:バイオハザードでは有名な首狩り緑。

 こいつに首を刈られて死んだプレイヤーは少なくない所か多いと予想できる。

今作の劇中場面では13体だけ存在しており、どれも皆ドラえもんの129.3馬力の拳撃と衝撃の前に頭を破壊され死んだ。
首狩りが首を刈られたという事だろう。



13体

詳細:緑の13体……はっ、まさか!? これはあのフラグ(略)



飛蝗

詳細:テレパシー能力を持っているのは飛蝗だけじゃないのは可哀想


飛蝗男:小説の仮面ライダーでは主人公の忌むべき姿にして最強形態。

タイラント

詳細:露出狂でその片腕のでかい得物で敵を刺す生体兵器ならぬ変態兵器

スーパータイラント

詳細:ロケットランチャーの弾丸を一発だけ弾き帰すという荒業やった奴がいるが……

まぁ一発だけ弾き返して何だといわれても困る

 

この話は続きます。

 


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