ジャッジメント

ゼクロス・アークウィンドさん

 

Jenoside Stage ディセプティコン・オブ・ダブルフェイス <二つの顔を持つ反逆者>

<お、俺は……また貴様らに負けたのか!? 目的も達成できないままに!!>
と全身から血を流している少年は目の前にいる物体、いや「ファイナルカイザーガンダム」を睨みながら悔し紛れに叫ぶと

<だが、覚えておけ! 所詮、人間は生きているだけで罪の存在だ! そんな奴等の為に戦う貴様らは……>
と彼は一寸間を置いた後……

<ただの偽善者だ>
そう告げた瞬間、彼の目は静かに閉じられもう動かなくなると、肉体は漆黒の光になり消滅した。

<何回蘇っても、何度でも言うよ、人間はそこまで愚かな存在じゃない……と>
彼には勝利を得た達成感が無く、ただ悲しみだけが彼の心を支配した。

―――俺は負けた、二度もだ……―――

―――結局、俺の全ての異世界、平行世界の浄化<しゅくせい>という目的<やぼう>は奴等に打ち砕かれた―――

―――仲間を裏切った俺は仲間に倒される……皮肉なものだ。―――

―――だが、俺は何度でも蘇る、何故ならば……―――

<いじめがある限り、俺を完全に殺害する事など不可能だからだ>


「今度は……絶対に奴を!」
と呟いた少年、彼こそが「新羅隆司」……ディセプティコン<反逆者>と呼ばれた者だった。

「前回のマシンクリーチャーボディは戦闘では身体の大きさでかなりのダメージを食らった……やはり俺には……この身体が良い」
と彼は両手を合わせると何かの呪文のように動かした、すると……

「もう一人の俺である<神羅ガンダム>のボディは失敗だったが、一から作れば……」
そこにあるのは……武者ガンダムの像……いやボディだった。

「では着心地を確かめるとするか」
そう呟いた瞬間、彼の身体は漆黒の光を輝き放つ球形の謎の物体に変わり、それは武者ガンダムのボディに融合した。

「この身体、そしてパワー……マシンクリーチャー時とは大違いだ! やはり大将軍という神に匹敵する存在がいる
 種族のボディだけの事はある」
一から作ったくせに、まるで乗っ取ったかのような台詞、だがそれが彼という人間を明かすものでもある。

「もう俺は人間体<新羅隆司>ではない! 俺は真の万物最強の存在として蘇った一体のガンダム……!」
「グラディストガンダムだ!!」
と自らの改めた名を叫んだ、それが彼なりの過去との決別なのだろ。

「さあて、後は……」
新羅……いやそう呼ぶべきなのか、「彼」は

「前のボディの完全修復を待つのみだ」
と呟いた、その表情には野望に対する執着心があった。

―――彼が一人のガンダムになった同じ時……―――

「お、おかしい……一瞬内部エネルギーが爆発的に増加した!!」
と科学者らしき男がそう叫んだ、彼の目の前にはまるで怪物のようなロボット……いやその姿をした抜け殻があった……

「ど、どうした?」
と驚きの表情でそう言った、赤い髪の青年「アクセル・アルマー」……彼は「この」世界で英雄と呼ばれている者達の一人だった。

「おい蔵鷹……じゃないゼクロス、どうしたんだ?」
と騒ぎに気づき近寄った青年「久原マサト」

「おお我が友『久原マサト』よ、さっきな、一瞬だけこのボディの内部エネルギーが爆発的に増加したんだぜ」
とゼクロスと呼ばれた男はそう答えた……彼と久原マサトは中学時代からの親友だ。

「まさか……何かが起こる前兆なのか?」
と久原の問いに彼は

「多分な……どうやらお前も俺も使いたくなかった『あのシステム』を配備する時が来るかもしれないな」
と答えた。

「あのシステムって何の事だよ」
アクセルの質問に彼は

「いつか分かるんだな、これが」
「俺の口癖を盗らないでほしいんだな、これが!」
と答えると、彼に突っ込みを入れられた。

「しかし、お前がこの世界の連中より先にこのボディを回収した理由が分かる気がするな、やはり万滅大帝……
ラグナジェノサイダーについて深追いさせない為か」

久原は目の前にある物体を見つめながらそう言った、その物体はかつて現「グラディストガンダム」のかつてのボディで
無限と言える程に多彩に変形を可能にし戦闘能力は全て互角の筈なのに苦戦を強いらせた経歴を持つボディなのだ、
言わば彼らにとっては目の敵でもある物体だった。

「あいつ、何とか説得できないかな、万滅を説得できたんだから出来る筈だと思うんだな、これが」
とはき捨てたアクセル、いくら宿敵でもかつての仲間である彼を完全に敵とは思っていなかったのだ、
無論これは他のメンバーも同様だった。

「あいつはオリジナルの負の感情の部分から誕生したコピーだ、あの時は正の感情の部分から生まれた
ラグナエンペラーを取り込んでいたから説得して改心させる事が出来たんだ、無理な相談だろうな」
とゼクロスは彼に冷たくもそう言い放った。

「はあ……暴力は暴力でしか止める事が出来ないという事なのか……」
と暗く呟いた彼の姿があった。

「だが、俺がこれを回収してよかった、もしこの世界の政府の連中がこれを回収してたら間違いなく戦争に発展したろうな」
と言い放ったゼクロス、言葉通りもしこの世界の政府の関係者がこの物体を回収していたら間違いなく機動兵器……
いや軍事力が圧倒的に強固になりそれが原因で戦争に発展してたかもしれなかった。

「しかし、これからどうする? あいつのあの言葉……まんざら嘘じゃないぞ?」
「さあどうしようか、倒しても倒してもまた蘇るあいつを…… いじめによって作られた怨念があいつを復活させ強くするんだろうから、
いじめが未来永劫『全ての世界』無くならない限り、
あいつを倒す事など不可能とは本当なのかもな」
と二人の会話が雰囲気を暗くする……

「でも今は無理かもしれないけど、いつかイジメの撲滅を達成できると思うんだな、これが……それじゃ、またな」
と告げたアクセルは自分の居場所に帰って行った。

「イジメの撲滅よりもあいつを完全に殺害した方が手っ取り早いと思うのは俺だけか?」
「……お前、やっぱりエグい」
とゼクロスの言葉に突っ込みを入れた久原の二人の姿だけがこの場に合った。

「力が本格的に覚醒するまで見物と行こうか」

 

彼は意を決するとその場を去った……見物とは彼にとっては「虐殺」と同意義だった。

「あいつからお金を搾り取られるだけ搾り取ってやろうぜ!!」
と多数の人物と会話をしている少年、話の内容から彼らは人に金をたかっているグループのようだ。

「でもよ、先公に言いつけられたらどうするんだよ?」
と先程しゃべり始めたリーダー格らしい少年に問う金のたかりグループのメンバーらしき少年。

「もしそうなったら、奴を二度と逆らえないようにしてやるまでさ!」
と彼はそう答えた、その表情には罪悪感など微塵も感じられなかった。

「やはりイジメはどこにでもあるようだな、全く人間とは愚かな生き物だな?」
と何処からか謎の人物が語りかけた。

「あん? 誰だよ、出てきやがれ! 昔のヒーローみたいな姑息な事をしやがって!」
と予想通りと言うべきか突然現れた「彼」に反応する彼。

「お望みどおり出てきてやる、まぁそれが貴様らの最期の時間だがな!!」
その瞬間、本当に瞬間だった、彼らの目の前に現れたのは最強最悪の存在「新羅隆司」にして現
「グラディストガンダム」だった。

「な、なんだテメエ? その姿は……ロボットか!?」
驚くも無理はない彼のボディは「武者ガンダム」で彼らには見慣れないものだからだ。

「そんな事はどうでも良い、それより質問に答えろ……貴様らは人をいじめる事に関して罪悪感すら無いのか?」
新羅隆司、いやグラディストガンダムの問いにリーダー格の少年は

「いじめ? 馬鹿じゃねえの? どうせ後からお金なんて手に入るからお金なんていくらでもせびっていいじゃねえかよ」
と開き直りとも聞き取れる、いや開き直っておりそう答えた、その言葉と表情から本当に罪悪感を感じていない事が分かる。

「そうそう、第一さこの世は弱肉強食なんだからよ弱い奴がいけないんだよ!」

「お前、偽善者だろ?」
と彼に連なりメンバーは声を上げていた。

「愚かな、そんな醜い言葉で自分達の行為<おこない>を正当化するのか? だから世界が腐るわけだ」
とはき捨てた彼、そんな彼を見かねたグループは

「いきなり出てきて説教たれてよ、お前ウザイんだよ、消えろよ!!」
とリーダー格の少年の一言でメンバーは一斉に彼に襲い掛かった、
だがそれは彼にとっては無視の悪あがきにしか過ぎなかった。


「馬鹿な奴らだ」
と彼は呟くと一瞬にリーダー格の懐に駆け込んだ。

「何だと!? テメエ何者だよ!?」
と驚きのあまり声を上げた彼、だがそれも終わりをつげる事になる。

「真っ二つにしてやる」
「ギャア!」
と一瞬にして胴体を引きちぎられたリーダー格の少年、その時に飛び散った血液は彼に一番多く返り血を浴びせ
その他にもそれが飛び掛った。

「ヒイィィィィィーーーーーッ!!」
とその光景にその他のメンバーは恐れをなした。

「胴体を引きちぎるのも<アイツ>以来だ」
と呟いた彼、浴びた返り血もスグサマ消滅した、彼の力でだ。

「これは正義の裁きだ」
と言い放った彼、そして……

「悪かったよ! お、お願いだ! イジメは二度としない! だから命だけは!!」
「その場凌ぎが俺に通用するとでも思っているのか?」
メンバーの一人が彼に命乞いをした、しかし勿論それは……

「その場凌ぎじゃない、本当だ……ウギャア!!」
「殺してくれ」と同意義だった、彼は四肢を?がれ、真っ二つに身体を切り裂かれた、
彼の命を奪った凶器は死神の鎌を模した大剣だった。

「悪にかける情けはない」
世界から見れば彼はこの場にいる者達よりも悪党だ、だがそんな言葉は彼には通じない。

「あ……ああ……」
―――彼の先程の言葉は「皆殺し」と同意義……彼らは背を向けると

「逃げろおぉぉぉぉーーーーーっ!!」
と一目散に逃げ出した、しかしそれでこの場を乗り越えられるわけが―――

「うわ!!」
なかった―――彼らは何かにぶつかった、何にぶつかったか彼らにはわからない……何故ならそれは見えないのだから。

「なんで! 逃げられねえんだよ!!」
とパニックを起こす彼ら、それもその筈何故ならば

「当たり前だ、俺が<バリア>を張っているんだからな」
とグラディストガンダムが彼らの背後に迫った、注意して見ると見えない<何か>は太陽の光でキラっと輝いた、
それで彼らはようやく壁だと認識した、だが遅かった、もう彼と遭遇したら―――逃げられないのだから。

「嫌だああぁぁぁーーーーっ!! 死にたくない!!」
あまりの恐怖に泣き叫ぶ彼ら、だがその叫びも聞こえなくなる。

「あの世とやらで自らの行いを悔やめ」
と彼は死神の鎌をもした大剣「デスサイズブレード」を……

「ああぁぁーっ!!」
メンバーの一人の首を切り裂いた、それにより悲鳴はかき消され首は宙を舞うと、しばらくすると地面に落ちた。

「ひいいぃぃぃ……」
もはや震え上がることしか出来なかった、デスサイズブレードで先程の少年の首を切り裂いた彼の姿は死神に見えた、
いや死神であった。

「愚か者共が、こんな状況にならないと自らの罪に対して罪悪感を感じないとは……」
彼はデスサイズブレードを構えると

「本当に人間は存在しているだけで罪の生き物だ」
と振り下ろした、それだけだった……それだけでもうこの場には彼以外誰もいなくなった、この場に存在しているのは惨殺死体だけで、
辺りには血が飛び交っているのみだ。

「イジメだけには止まらん、悪人全てをこの世界から消滅させてやる」
と呟いた彼は、背を向けると姿を消した―――

―――耳を澄ませば聞こえる……何が聞こえるって? それはもちろん―――

―――悪人の悲鳴とその首を刈り取る音が……―――




続く




〜オマケだヨーヨー〜

グラディストガンダム(本名新羅隆司)
詳細:主人公と言うべき存在、かつては神滅者<ラグナジェノサイダー>だったが、とある事で
万物最強に相応しい力を手に入れた。
しかしかつての仲間達である「ファイナルカイザーガンダム」に圧倒的な差で破れ敗北するが、
復活し互角に戦える程に進化したがまたもやぶれ……今の状況

 

Jenoside Stage1 「かつて」

「まだ僕達は戦ってるような気がするな……」
とつぶやいたのは青い猫型ロボット「ドラえもん」、今この場には彼を含めると五人だった。

「そうだね……凄い敵達と戦ったね」
とそれに連なりのび太も言葉を発する。

「僕達の冒険であった敵達がまるで雑魚のようだったよ」
と発したのは骨川スネ夫、彼もまた「戦い」の参戦者だった。

「だけど、それと同時に私達は強くなったような気がする……そして悲しい事も経験した……」
源静香の言葉で彼らはこれまでの経緯を振り返った。

<お前達には……私の受けた苦しみや悲しみなど分からん、永遠にな>
<ア……リ……シア……私も……君の元へ……>
<仲直り? 自力で解決だと? そんな事が出来る世の中だったらな! 俺達はこの組織に入らずにすんだんだよ!!>
<格差がある限り、俺を倒す事等、不可能だ>
<親友だと……思ってたのに……信じてたのにいぃぃーっ!>
とかつて自分達が戦い、そして打ち負かして来た敵の言葉が脳裏をよぎった。

「一番悲しかったのは……新羅君たちの戦死だったね……」
とドラえもんがそう呟くと、それを聞いた「剛田武」はピクと反応し

「悲しくて……そして! 一番怒った事でもある! あの野郎! 仲間だと思ってたのに! 今までずっと俺達を……利用していたんだ!!」
と叫んだ、その口調、表情から彼が……いや彼らがどれだけその記憶に憤りを感じているかが分かった。

<俺はもう罪を犯しすぎた……これが俺の死に時だ>
<俺は結局、悪の帝王になる器でもなかった……本当はただ親友であるアイツに操られていた単なる愚か者だったんだ……>
そして彼らに脳裏にまたよぎった出会った者達の言葉。

「ジャイアン……」
と悲しい表情で見つめていたドラえもんだった。

「新羅さん……石川さん……あの野郎の所為で死んでしまった……俺はそれが悔しい!
アイツの考えている事をどうして分からなかったのか!!」
「それは僕達も同じだよ……」

そう叫んだジャイアンは涙を浮かべた、それに連なり涙を流す……彼らの姿がこの空き地にあった。

―そして―

「皆、どうしてるんだろな〜」
と呟いた少年……彼の名は「アラド・バランガ」、彼もまた「戦い」の参戦者だった。

「元気に決まってるでしょ、考える事じゃないわ」
と返答した少女「ゼオラ・シュヴァイツァー」

「もうあの戦いが夢のように感じられる……そこまで月日はたっていないのにな」
と意味深に呟いた女性「ラミア・ラヴレス」……彼らもまた「戦い」によって多くの悲しみを経験した者達だった。

「彼……また襲ってくるかしら?」
とどこか不安そうに発言した少女「ラトゥーニ・スゥボータ」

「……さあな……と言えないな……」
と返答したアラド、彼らは「彼」に対して恐れと同時に……怒りを抱いていた。

―そんな時、グラディストガンダムと同じく再び蘇った者が居た……その名は「鷹取 隆」―

「奴らめ、俺が完全に死んだと思っているようだな……<格差がある限り俺を倒す事など出来ない>という
 言葉を嘘だと思ってたようだな、フフフ」
と彼は笑みを浮かべた、ここは謎の森林が多い茂っている場所……彼はもちろんどこなのかは知らない。

「さて、本気で始めるとするか……」
と呟くと彼は剣を具現化し、地に突き刺すと魔方陣が出現した。

「最強の存在によって肉体を滅ぼされた魂よ! 蘇れ! 俺の抱いている……憎悪の心と共に!!」
と彼は叫ぶと、魔方陣の中心に謎の球体に何かが集まっていき……

「フハハハハ! 久しぶりだな!!」
と彼は笑いながらそれに呼びかけた。

「超越神・新羅隆司!!」
と謎の球体は少年を形づくっていた、それは何とかつてドラえもん達の仲間だった数ある「新羅隆司」の中の一人だった。

「覚えているぞ、鷹取隆……貴様この俺を蘇らせるとは……よほど戦力に対してお困りのようだな……だが良いだろう、
 人間の粛清には喜んで協力しよう」
かつての彼は「人間の粛清」という野望は抱いていなかった、この事から彼は隆に人格を変えられている事が理解できる。

「ありがたいな……今こそ裁きの時……まず為すべきは……」
隆は一寸間を置いた後

「『万滅大帝』との合流だな」
と表情を変えそう言い放った、彼は何と万滅大帝・新羅隆司が現・グラディストガンダムに蘇っている事を分かっていたのだ……
ついに動き出す真の最終決戦への扉……二つの巨悪が一つになる時、それは扉が開かれたという証拠でもあるのだ……


続く?


〜オマケ〜
鷹取 隆
詳細:かつて自分が住んでいた異世界の平行世界で自らを作った創造主「新羅隆司」と激闘を繰り広げ世界を救った英雄でもある。
だがしかし、それと同時に人間への憎しみを抱いていた……

 

Jenoside Stage・FINAL 「巨悪は今一つとなった」

「もう何もないか」
と一人のガンダムが呟く、この「世界」にはもう星達の光も「故郷」も太陽もない……何故なら、全て彼が破壊したからだ……
5分足らずで

「結局、この世界も同じだな……」
と吐き捨てると彼は手を前に掲げると……

「我が全ての力を象る剣を……ここに!!」
と大剣が……しかも一振りで木星ほどの惑星が一刀両断に出来るであろう程の規格外の大きさを持つ大剣が彼の閧ノ握られていた、
装備者はそれをまるでプラスチックか何かのように軽々しく振るう……

「万滅奥義!!」
と彼は構えを取ると……

「トゥルーエンド<真の終焉>!!」
と叫ぶと大剣を振り上げた……そこから生じる光は全てを破壊し飲み込み……この世界に「並立」する世界も消滅させた……
こんな超規格外の技の発動者は信じ難くも……無傷であった……それにより、彼は見知らぬ異世界へ飛ばされる……

「ほう、あの野郎……異世界一つ消し去りやがった……」
と謎の少年が呟いた……彼は「鷹取隆」、かつて彼……先程の技の発動者の共闘者だったからか、彼の異世界消滅を感付いた……
いや理解していた。

 


「無限に存在する異世界を……果たしてどう浄化するのだろうか」
とそれに連なり声を上げる「新羅隆司」

「こんな所で話をしていても仕方がない、奴の残滓を頼りに探しにいくぞ」
「ふ……」
と隆が告げると二人とも姿を消した、そう「彼」を探しにいったのだ……<次元転移>で

「……何て事だ……」
と呟いた少年、彼の名は……

「どうしたんだい? ラグナエンペラーの新羅君……」
と呟いた少年を呼ぶ声、彼の名はかつて最強の神滅者<ラグナロク>として異世界を越えて旅をする者や神に名をはせた
「新羅隆司」であった、もっとも……

「ラグナエンペラー……懐かしいな……だけど今の俺はそうじゃない、その名はカリストに授けようと思っているつもりだがな」
彼はラグナエンペラーの名を「カリスト=サンフェイト」というラグナロクに授けようと思うらしい……
理由はもちろんその少年が彼、新羅隆司より強いからだ。

 


「それで……いったい何かあったのか?」
と問う少年「竜沢竜也」、彼もラグナロクの参戦者であった。

「鷹取隆が蘇った」
と答えた彼、彼の表情は深刻だ。

「アイツも万滅大帝と同じタイプかな……」
と呟いた青い猫型ロボット「ドラえもん」彼もラグナロクの参戦者であり二体ドラえもんがいた事になるのは両者とも
平行世界からの来訪者だからである。

「ち、あの野郎……蘇ったのか…… 流石平行世界の俺が生み出したという人間だけの事はある……な」
と呟いたのは二人目の新羅隆司……ラグナエンペラーは彼の過去の時代の自分であり、また並行世界の自分でもあった。

「で、どうする? 圧倒的な力で集団リンチか?」
と彼に問う青年「真二涼徒」

「当たり前だ、あの野郎を止めなければ……大方、万滅大帝の仇でも取りに行くんだろう……」
とラグナエンペラーは答えると

「(いや最悪のケースを考えると……蘇った万滅大帝との合流か?) しかし、まだ大した動きは無い……しばらく様子を見よう」
と彼らに告げた、内心では「最悪のケース」に感付いていた。

「ち、奴の残滓を頼りに来てここか……」
と吐き捨てたのは鷹取隆……彼は蘇った万滅大帝を探しこの異世界に来た、現在地は深い森の中、
もちろん彼らはどこなのか知らない。

「破壊大帝はこの世界にいるのは間違いなしのようだ」
「破壊大帝? まぁ……あながち間違ってはいないな表現としては……」

 

そう告げた新羅に突っ込みを入れる鷹取。

「ちっ……何だこのRPGのような世界は……」
と吐き捨てた鷹取はこの広い深い森で前へ進む、途中「何か」の気配があった、その「何か達」は彼らを恐れ動いてはいなかった。

「空間転移を使えよ」
と新羅の冷たい突込みが入れられると……

「すまん、気づかなかった」
と返答すると彼の姿は消えた―――空間転移で万滅大帝のいる場所へ向かった、それに連なり新羅も空間転移で彼を追う。

―――そして―――

「ふん、この世界も……全ての人間など所詮罪人だ」
と吐き捨てる者……いやガンダム、彼の周りには盗賊のような格好をした人間達の死体が数多に存在していた。

「誰だ? お前……」
と謎のガンダムに問う新羅隆司、二人とも空間転移でこの盗賊のアジトに来ていた……つまり……

「貴様……まさか万滅大帝・新羅隆司か!?」
と驚きの声を上げる鷹取、そう彼は万滅大帝・新羅隆司にして現「グラディストガンダム」だった。

「その通りだ、やはり俺は武者頑駄無の身体がお気に入りのようだ」
と彼は答えた。

「組織はもはや壊滅しているのに等しい、『ジャッジメント・ゼロ』の奴らは皆ラグナエンペラーの所へ戻りやがった……
戻りやがった部下達も嫌いだが、アイツらはもっと嫌いだ!!」
とその口調、言葉から彼がどれだけ悔しがっているかが分かった。

「俺も皮肉なものだ……かつて俺を殺害した者と手を組むとはな―――まぁそれ位、俺達の野望は自分達じゃ手に余る程って事だがな」
と吐き捨てた新羅隆司、彼を見たグラディストガンダムは

「貴様……鷹取め、お前コイツを蘇らせたのか……」
と鷹取に問うと

「ああ」
と返答した。

「人格を変えただろう? 後々面倒な事になるぞ」
「なーに、奴には暗示を掛けてやる、暗示はかなり手っ取り早い方法だからな」
ガンダムの問いに鷹取はそう答えると、笑みを浮かべる。

「武者頑駄無のボディの着心地はどうだ? 天宮<アーク>の世界の奴らは身長が人間よりも低くいからな」
と新羅の問いにガンダムは

「着心地、まるで俺がコスプレをしているみたいだな……まぁ良い……マシンクリーチャー時とは大違いのパワーだ、
あれはガラクタで構成されていたからな」
と答えた、彼の表情は人間の時とは違い生き生きしていた。

「さーて世間話はそこまでだ」
と鷹取は会話を中断させると真剣な表情で

「貴様、どうやって無限に存在する異世界と平行世界を粛清するつもりだ?」
彼の質問は正に野望の達成に関する重大な事だった……一つの異世界とその平行世界の全てを消し去る程の力を持つ
グラディストガンダム、
だが一つ消滅させても無限に存在する異世界群には痛くもかゆくもないのだ。

「もうとっくに考えてある」
と彼は翼を広げると……

「ついて来い」
彼は飛翔し宇宙へと飛んだ、その速さは「全て」―――「万物」を越えていた……

「態々飛ばなくてもいいだろう」
「そこを突っ込むな、俺達は空間転移で行くぞ」
「ああ」
と二人は会話を交わした後、空間転移で彼を追った―――もっとも彼の速さはワープと同等、又は……

「到着」
と新羅が呟いた、彼らは空間転移でグラディストガンダムを追い、そのグラディストガンダムは今目の前にいる。

「見てみろ」
とグラディストガンダムが彼らに告げると、二人は彼の元へと踏みよった……そこには

「!! こ、これは……!?」
と驚きの声を上げる鷹取……何故なら……

「ブラックホール……始めて見る」
それに連なり新羅も反応する、目の前には……光をも飲み込む「ブラックホール」が存在していたのだ―――
「それ」に吸い込まれつつあった物質もついに飲み込まれ超重力で潰される……普通の人間では生き残るのは不可能……
だが「彼ら」のような存在ならば……

「貴様、このブラックホールを何に使うんだ?」
鷹取の問いに彼は

「真の切り札だ」
とだけ答えた。

「真の切り札……か」
と新羅はブラックホールを眺めながらそう呟いた。

「さて……これで……かつての組織の幹部が揃っている訳だが……」
とグラディストガンダムは背を向けると

「軍隊は作るか?」
彼は二人に問い質した……彼は自分が嘗ての宿敵「ラグナエンペラー」程に優れた指揮官では無い事を自覚しているからだ。

「軍隊か……俺達は作ろうと思うが……お前は?」
と答えグラディストガンダムは

「作らん、前々回の反省としてな」
と答えた。

「やはり俺は一介の戦士として戦うほうが性に合っているのでな」
と呟くと彼はブラックホールへと近づくと

「ふん」
とブラックホールの中心部に入った。

「何をする気だ?」
「こうするのさ」
新羅の問いにそう返答した彼、すると……

「なっ……ブラックホールの中心部から光が!!」
驚きの声を上げる鷹取、ブラックホールの中心から何処からか光が溢れた。

「異次元の門を広げた……俺の力で通常の次元転移では行けない『真世界』にも行ける様になっているし、
今まで来訪した事のある世界へも行ける」
「ようするにそれで自分達の軍隊を作れって事か・・・・・・」
「ああ、それにこれを応用すれば俺の<トゥルーエンド>を数多の異世界に放てるわけだ……」
彼の説明に鷹取は

「次元転移があるのに、何故それを開く必要があるんだ?」
と問うと

「言っただろう、これは俺の真の切り札だと……奴らとの決戦で使うつもりだ」
と答えた。

「(何? 使うつもりだと?)」
新羅は彼の言葉に疑問を抱いた。

「……あの偽善者共……いや『ファイナルカイザーガンダム』!! 俺達は貴様らに最後の戦いをしかける!!」
とグラディストガンダムは叫ぶと

「まずは戦力を集めろ、この世界には差別を受けた者もいるかもしれないが、何より人間に虐待され憎悪するモンスター達が大勢いる! 集まった志願者達で軍隊を作る!!」
と彼らに指令を送った。

「総帥としての威厳は健在だな、よし分かった!」
「モンスターか……どんな種族がいるのか楽しみだ」
と彼らは承諾すると光を越える神の如き速さで先程の星へ向かった。

「ファイナルカイザーガンダム! 貴様らを越える力と共に俺は蘇っている!! 俺に倒されるのを楽しみに待っていろ!!」
と彼は勢い良くそう言い放った……

最終決戦への扉は……もう開かんとしていた……しかし、まだ最終決戦は始まらない……そう時が来るまでは……






〜オマケ〜
真世界
詳細:オリジナル用語、宇宙が異世界、平行世界に分裂する前から存在している世界、実態は全世界のオリジナルである、
かつての神々はこの世界に住んでいた……が敵の襲来を予想し進化し今の強さになった、
前の神々はただ不老不死なだけで身体能力は人間と全く同じだった。

 

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