ドラえもん のび太の魔科学戦記
ゼクロス・アークウィンドさん
episode11「The Day Of Destiny」
「はあぁ・・・」
と溜息を漏らしたのは蒼い猫型ロボットドラえもんだった・・前回の引き続きの戦いで彼は溜息を漏らした。
「昨日はもう本当にメチャクチャだったね」
と彼らはテレビを見ながら会話を交わしていた・・・メチャクチャとはドラン兄妹との戦いと武との戦いである。
「うん、もう疲れたよ・・・何で僕達が行く世界ってこんなにも滅茶苦茶なんだろうか」
「それを言ったら切がないよ」
「そうだね」
と彼らはテレビのニュースを見始めた。
「面白いものないかな〜」
「さあ?あるとしたらブロイドアニメじゃない?」
と話すドラえもん、ここはブロック・・魔法と科学が混在する世界・・その番組があってもおかしくは無いかもしれない。
<番組フ途中ですが速報です>
「速報?」
とそこに突然速報のニュースが流れ出した。
<今ディバインセイバーズ本部で・・・特機完成披露宴が始まろうとしています>
「特機・・・?まさか!!」
とドラえもんがそう言うとテレビには・・・前日見かけた50mある蒼いドロイドがあった。
「一体、何をするつもりなんだ・・・?」
と呟いたドラえもんだった。
「・・・さて・・・いよいよか・・・」
コクピットの中でそう呟いた青年「龍徒真夜」何故ならこの日で自分達は政府から独立するからだ。
「ククク、これで俺達の望む国への第一歩を踏めるという事だ・・・」
とその光景を見上げていたもう一人の青年「真二涼徒」・・・そして笑みを浮かべていたのは彼だけでは無かった。
「フフフ・・・これで我々の活動がばれないで済む・・・!!」
と政治家のような服装をしている男があの特機を窓越しで見ながらそう呟いた。
「では、この計画でよろしいのだな?」
と黒尽くめの服装をした男が政治家のような服装をした男に呼び掛けた。
「うむ、もちろん・・・」
とその男が笑みを浮かべながら答えていた。
「日本国民を虐殺し・・・それで恐怖心を与える・・・!}
「そして我々がこの国を支配する!フフフ・・フハハハハハ!!」
と男は勝ち誇ったかのように笑い出した・・・そしてそれを見ていた者が一人・・・
「父さん・・・調べておいて正解だったよ」
それはドラーモン・ユミルだった、彼は通信機ごしに報告していた。
「どうりで怪しい動きをする政治家だと思ったら・・テロリストの一味だったのか・・・」
「・・・後は俺がどうにかフォローするから・・・」
「分かった・・では・・・僕に任せてくれ」
と龍徒は通信を切った。
「・・・ドラえもん、まだあの蒼いロボット・・・特に目立つような動きはしていないみたいだよ?」
「・・・通信機とかで話をしているんじゃないのかい?」
「・・・そうかもね・・・」
「のび太君・・・準備はしといてよ?」
「・・・ドラえもんもね?」
と彼らはテレビの前でのび太は「ブラスディバイスト」を取り出しドラえもんは「オメガカイザーギア」を取り出した。
「・・・では模擬戦を・・・」
<始める>と言おうとしたその時、龍徒の蒼いブロイド・・「ファルシオン」が向きを変えた。
「!?ま、まさか・・!!」
と日本支配をたくらんでいた二人の男がいる建造物の目の前にファルシオンはあった。
「・・・はぁっ!!」
と龍徒がコクピットで刀を振るった、それに合わせるかのようにファルシオンも剣から風圧を放った。
「ひぃっ!?」
と彼らは直感的に身を避けた・・・次の瞬間二人がいた建造物は両断されていた・・・
「な、何て奴だ・・・!まさか・・我々の事を!?」
二人は吉か不幸か生存していた・・もちろんこれは彼の意図的にである。
「!?アクシデントです、想定外です!何とファルシオンがあの建造物を切り裂きました!」
と実況を中継しているアナウンサー・・・だが
「!!」
次の瞬間、その映像が途切れた。
「・・・・行こう」
「うん」
と彼らは決意を固めどこでもドアで・・・現場へと向かった。
「・・・ふぅ、これで準備は整った・・・という事になるのかな?」
と龍徒は呟いた・・・すでに関係者以外の人間を気絶させた所だった。
「・・・来たね・・・」
その時、何かが歩くような音を聞き取り龍徒とファルシオンはその方向へと向いた。
「・・・龍徒真夜・・・!!」
「初めまして・・かな?直接、君達とは会ってないから・・・」
「・・・そうだね・・と言う所だけど・・・」
とドラえもんのライファンはディバインカリバーを構えた。
「まずは単刀直入に言うよ・・・!これが本格的に活動を始めるという事なのかい?」
「・・・そうさ」
「・・・・・・この国を強くしようが弱くしようが関係無いよ・・・!でもこれだけは言える・・・!」
のび太のブラスディバイストはブラスターを構え威勢よく言い放つ・・・
「あなた達のやろうとしている事は間違っている!と!」
「そうだね・・・でもだからと言って僕はここでやめない・・・総帥だから・・」
とファルシオンは剣を二機に突きつけた。
「だから僕は総帥としての意地を張らしてもらう!」
と剣を構えファルシオンは一歩引いた後
「はぁっ!!」
と剣から風圧を放った。
「回避!」
と二人は回避した。
「まずは僕からだ!撃て!ブラス!」
とのび太がブラスターの引き金を引いた、銃弾はファルシオンへと放たれた・・・が
「そこだ!」
と刀で銃弾を防いだ。
「な、何て強さなんだ・・・!」
「いやあれは機体の性能差よりもパイロット本人の強さが輝いてるね・・・・!」
「隙が有り過ぎだ!」
とそこにファルシオンの剣が彼らに襲い掛かった!
「甘い!」
とドラえもんのライファンはディバインカリバーで攻撃を受け止めその圧倒的パワーでファルシオンごと弾き飛ばした。
「く・・・やはりその機体とは性能差がありすぎるか・・・!!」
と言いながらも剣を構えていた。
「だけど、その分は・・・腕でカバーだ!」
とその瞬間・・剣の刃が・・・二倍以上も大きくなり大剣となった。
「な、大剣になった!!」
「まさか、それはドラーモンの・・・!!」
「そう・・このファルシオンには僕が作った四体の機体『フォーカイザーズ』のノウハウが纏められたブロイドだ」
とそう説明した後・・・
「いくぞ!!」
と前進してきた・・・そして
「エクスカリバー・・・一閃斬り!!」
と力を込め二機ごと切り裂いた!
「ぐわあぁっ!!」
と先程の強烈な斬撃を食らい怯んだ二人。
「先程の技を受け流すとは・・・流石だ」
「あの時、僕が庇おうとしなかったら、そのまま切り裂かれていたかもしれないな・・・!!」
ライファンは自己再生で先程の攻撃の損傷を修復しているが、ブラスディバイストはかなり破損していた。
「・・・そろそろだな・・・」
と龍徒のファルシオンは上昇し初めた。
「まさか・・・本命は宇宙に?」
「・・・次が・・・君達との決戦だ・・・止められるなら・・止めて見せてくれ」
その瞬間、ファルシオンの姿が消えた。
「!?消えた!!」
「あれは・・・空間転移だね・・・」
彼らは自分の機体から降り、のび太は通常サイズに戻しドラえもんは時空間へライファンを戻した。
「どうするの?」
「決まってる・・・宇宙へ行くんだ・・明日にね」
と宣言した後、ドラえもんはどこでもドアを取り出すと
「来るべき日の為に作ったものでね」
とどこでもドアでのび太の部屋へと真っ先に向かった。
「待ってよ〜」
とのび太も吊られてどこでもドアの自分の部屋へ向かった。
―ククク・・・これで俺たちの・・・いや俺の望む世界が・・!―
―真二・・・―
―龍徒か・・・―
―これで君の復讐心は晴れるのか?―
―・・・ふん、それは貴様にも言える事だがな―
・・・と真二と龍徒はいがみ合うと
―俺はこの戦いで憎むべき外国人を排除する・・それで良いのだ―
―だが力だけじゃ何かが足りない・・・―
―何かとは何だ?優しさとか情けか?俺は後者の方は嫌いだ―
―・・・だが復讐をした人間はその復讐した相手と同じになると言う―
―・・・俺は違う・・貴様こそ俺と同じく家族を外国人に殺された奴が言える事では無い!―
―・・・―
その言葉で龍徒は脳裏にかつて自分の子供の頃、家族を外国人に殺された事をふと思い出した。
―それに俺達には・・アブゾーバー、レキュイストがあるからな・・これさえあれば例えあいつらがこの世界に来ても邪魔はさせんさ―
と真二は言い放つと、その場から去った。
―真二・・自分の憎む外国人を殺したって復讐心は晴れない・・・それはただの虐殺だから―
龍徒はそう呟いた後、自分の「子供」達のところへと向かった。
ついに始まる・・・ディバインセイバーズの反乱・・それを止められるのは異邦人の二人とそしてこの世界の友と・・・・?
続く
〜オマケ〜
ファルシオン
詳細:イメージは正義っぽいグランゾンと言えば分かりやすい・・かも
フォーカイザーの性能、特徴のノウハウを詰め込んだ最強の機体でパイロットは開発者でもあり凄腕の戦士でも
あるので接近戦用の機体となっているが射撃でも負けてはいない。
実はパイロットの龍徒自身は「友」と同じくこの世界の住民ではない・・・
パイロット:龍徒真夜
年齢:20代前半
機体武装:エクスカリバー イビルブラスター
episode12「宇宙へ」
「皆!ついにディバインセイバーズとの決戦の日がやって来た!」
「地球の平和を守る為に全力を尽くそう!」
と張り切るドラえもんとのび太、何故ならば今日はディバインセイバーズとの最終決戦の日であるからだ。
「ええ!」
「おっしゃあ!やぁぁてやるぜ!!」
と武と静香はそれに答えるかのように張り切っていた。
「ああ、もう大人しく運命を受け入れよう」
と何か(運命)を受け入れるスネ夫の姿もあった。
「実はこの日に備えて切り札を作ったんだ」
「「「『切り札』?」」」
とドラえもんの言葉に三人は口数そろえて言い放った。
「切り札って?」
「まぁ着いてからのお楽しみさ」
とドラえもんはポケットからドリームガン、人を眠らせる麻酔銃ににた拳銃を取り出した。
「え?何」
<何を>と言い切る前にドラえもんは三人を眠らせた。
「最初に僕とのび太君が早撃ち対決をした時、時の運だったけど勝った事があるのさ」
と漏らすとドリームガンをポケットに直した。
「さて・・・と」
とドラえもんは四次元ポケットからどこでもドアを取り出した。
「じゃあ連れて行こう」
「うん」
とドラえもんは彼らを抱えながら、そのどこでもドアの扉の向こうへ歩いていった。
「う〜ん」
と眠っていた彼らも目を覚ました。
「まったく何を・・・」
<何をするんだよ>と言い切ろうとした瞬間にその言葉の本人であるスネ夫と共に武、静香は驚きの表情を見せた。
「ちょっ、ここどこぉぉぉぉっ!?」
と思わず叫んだ、ここはそう・・・例えるならばまるで宇宙船のコクピットのようだった。
「この写真を見れば分かるよ」
とドラえもんはポケットから写真を取り出した。
「「「ええぇぇぇぇぇ!?」」」
とその写真を見た三人は驚愕した、なぜならば
「先端にドリル・・・それに艦橋がロボット!?」
と具体的な形状を述べた上で驚いていたのだ。
「そうさ、半人型機動戦艦・・・!」
ドラえもんは一寸間を置くと
「『ケンタウロス』さ!!」
と威勢良く言い放った。
「ケ、ケンタウロス・・・確か胴体は前じゃ・・・」
「そ、それで戦えるのか!?」
「あ、ある意味・・良い得て妙だね」
と感想は様々だった。
「あ、そうそう操縦、射撃戦は君に任せるよ」
と唐突にのび太にサイコントローラーを渡した。
「う、うん、ちゃんと操縦してみせるよ(・・・あれ?じゃあ格闘戦はドラえもんがやるって事なのかな?)」
とのび太はサイコントローラーを握り締めた。
「皆、準備は良いよね?答えは聞いてない」
とドラえもんはオメガカイザーギアを取りだした。
「変身!」
"change omega kaiser"
「さあて本拠地に乗り込もうか」
「ド、ドラえもん・・・久しぶりに変身したね」
「まあね」
とドラえもんは会話を交わした後
「空間転移!!」
ドラえもんがそう言い放った瞬間―――船は消えた。
一方、宇宙―――ディバインセイバーズ艦隊のいる宙域では
「依然、敵機の反応はありません」
「そうか」
と警備の声が聞こえていた艦内―――この船はディバインセイバーズの艦隊の一機で合計旗艦含めて六機ある、
だが性能はかなり高いので油断大敵だ―――デウス・エクス・マキナチーム以外は・・・・・・
「ち、まだか・・・・・・俺達と同じ異邦人は!!」
「そう苛立つんじゃない、体力が減るだけさ」
「健康に悪くなるぞ」
「うるさい!!二人して言うな!貴様らだって本当はイライラしてるんじゃねえのか!?」
苛立っている涼徒は真夜とドラーモンに怒鳴り散らした。
「駄目だな」
「うん、駄目だね」
と呆れた二人は窓景色を見つめ始めた。
「・・・・・・ち」
と落ち着き始めた涼徒は腕組をし壁に寄りかかった。
―――そして―――
「!!は、反応が・・・・・・!!」
「どうした!?」
「空間転移です!我々の陣形の中心部です、つまり総帥ご登場の旗艦の付近です!」
オペレーターは艦長にそう報告した瞬間
「やあ」
と突如出現した、後部に機体の上半身が置かれている戦艦「ケンタウロス」、先端に付いているドリルの接続部分に
その声の主「ドラえもん」が居た。
「あ、あの野郎!?生身で戦うのか!?」
驚愕した涼徒はとにかく彼を見続けた。
「のび太君、操縦任せたよ」
「うん!」
とドラえもんはのび太にケンタウロスの操縦を任せると
「それ!突撃!」
とドラえもんは大剣を二本構え六機の戦艦の艦隊の中心の艦―――旗艦に突撃し始めた。
「させるか!弾幕用意!!」
と艦隊はミサイル、機関砲を打ち出した。
「は!てぇい!!」
とこちらに打ち出されるミサイルを切り払っていくドラえもん。
「僕だってやる時はやる!」
とドラえもんの斬り損じたミサイルを全て打ち落とした。
「その程度で機神の力を持つ異邦人二人を倒せるとでも思っているのか!?この野郎!」
と怒り始めた涼徒は全艦に
「奴らを全ての力<エネルギー>で消せ!」
と怒りに震えた声で命令を下すと、その直後弾幕は激しくなった。
「ロングウェーブ!!」
と彼は二本の大剣から風圧を放った、その風圧は目の前のミサイル群を破壊、ビーム砲をかき消した。
「ドリルは漢のロマンだああぁぁぁぁーっ・・・あれ?キャラが違ったよ」
と良いながら先端のドリルを回転させ目の前の障害物<弾幕>の機関砲の弾丸をかき消し潜り抜けた。
「そうだ、ドリルは漢のロマンだ――って何を言ってるんだ俺ぇぇぇぇっ!?」
「一人突っ込みか!」
と涼徒の一人突っ込みに突っ込みを入れたドラーモンだった。
「いくぞぉぉぉぉ!!」
「うん!!」
と突撃し続ける彼ら、目の前には今まで自分が戦った敵達の乗る旗艦だ―――だが
「全艦隊!!我等の船を盾にし総帥ご登場の旗艦を守り通すのだ!!」
と旗艦以外の全艦が立ち塞がった。
「ドラえもん!どうしようこのままじゃ・・・・・・」
「かまうもんか!そのまま突っ切るんだ!」
のび太はドラえもんの言葉通りそのまま前進した。
「真っ直ぐ!旗艦に!!」
「ええい!何としても防―――ぬぉぉぉぉぉ!?」
と五艦は突き飛ばされ拡散した。
「(あれが現時点での彼らの本拠地か・・・・・僕らの戦艦より二倍・・・・・・いや三倍以上もあるな、
それにエネルギー反応がこれ程も大きいって事は、もしかすると」
ドラえもんは彼らの旗艦を見て考え込んだ後
「皆!ここからが本番だ!準備は良いよね?答えは聞いてない」
「やっぱり!?」
とドラえもんの言葉にスネ夫は反応した後
「空間転移!!」
「え!?」
と何とドラえもんは戦艦ごと彼らの旗艦の内部へ転移した。
―――そして「この世界」での決戦が始まった―――
〜オマケ〜
空間転移
詳細:その名の通り、対象物を空間ごと転移する技術。
スパロボではこれが良く使われる。
episode13「異邦人<同士>」
「う〜ん、凄いぞ僕は」
と呟いたドラえもん、今彼らがいる空間は……
「ねえ、ここってまさか……」
「うん、あいつらの旗艦の中さ」
そう、ここはディバインセイバーズの旗艦の室内だった―――本来ならば普通は戦艦如転移したら内部から破壊されるのだが、
それは無かった、何故ならば
「ここは圧縮空間だ……」
「だから?何なの?僕の家にも異空間はあるじゃないか」
「君の家の場合は繋がってるだけさ、圧縮空間はその名の通り<圧縮された空間>だ」
「つまり?」
ドラえもんは一寸間を置くと
「圧縮空間はね、簡単に言うと外部から見ると中が狭そうな機関車なのに実は中はホテル並に広いって奴さ」
「(機関車……もしかしてドラえもん、あの時の事を話に出したな、懐かしいな〜)」
圧縮空間について説明し終えると
「この世界はブロックに関する技術だけ特化してる筈なのに科学技術でしか作れない物をこの戦艦は搭載しているんだ」
「簡単に言うと……<この世界>には存在しない筈の戦艦がここに存在しているって事?」
「そうさ」
と物語った後、彼は表情を変え結論を出した。
「ディバインセイバーズは、この世界の軍隊じゃない」
ドラえもんの一言、彼の一言でのび太以外のメンバーがざわめいた。
「こ、この世界の軍隊じゃないって……どういうこと!?」
「僕はこの戦いの準備をする前に色々ディバインセイバーズについて整理したのさ」
と彼はディバインセイバーズについて語り始めた。
「僕は不自然に思ったんだ、何故格納庫はブロック製ではなく金属製だったのか」
「ただの偶然じゃないの?」
「いや、ブロックの方がどうみても強度は上なんだ、なのにどうして金属製なのかと思ったんだ」
彼は語り続ける。
「僕はそこでそれに慣れ親しんでるから、金属製じゃないかと思ったんだ」
彼が説明し続けているその時!―――彼らが現れた。
「お見事」
と一言だけ発し、彼らの目の前に現れたのは―――
「真二・涼徒!!」
「そ、それにあの三人と見慣れない猫型ロボットも!!」
涼徒とかつて彼らが対等した「ドラーモン・ユミル」「ドラン兄妹」と謎の猫型ロボット「ソフィア」だった。
「やはり俺達がお前たちと同じ異邦人だと分かったか」
「ああ、この世界で作れない筈の僕の写し身・・・・・・猫型ロボットがいるんだからね」
と緊迫、そしてどこか余裕な表情でドラえもんは涼徒と話し合っていた。
「お前達はどこの平行世界から来たんだ……?」
ドラえもんの問いに涼徒は潔く…・・・
「ラグナエンペラー―――と聞けば分かるだろ」
と答えた。
「って事は新羅君の世界から来たのか!?」
「その通りだ」
彼は銃を二丁構えると、それを五人へ向けた。
「さあて、この話は俺達だけにしか分からない話だ」
と目付きを変えると涼徒は構えると
「部外者はとっと帰れ」
と言い放った。
「うるせえ!<ぶがいしゃ>なんぞ知るかよ!俺達はてめえらの野望を食い止めてみせるぜ!!」
と武は勢い良く言い放つと構えた。
「せっかく五人でお迎えに来てくれたんだ!僕達も五人でお礼をさせてもらうよ!!」
とドラえもんは変身を解除すると大剣を二本手に取った。
「いくぞ!皆、これで奴らとの最後の戦いだ!!」
とドラえもんは叫ぶと彼を筆頭に真っ先に前進した。
続く
〜オマケ〜
圧縮空間
詳細:「ドラえもん のび太と銀河超特急(ギンガエクスプレス)」に出てきた用語で
その名の通り圧縮された空間で見かけはSLだが、中はホテルのように広かった天の川のSLを参考に
どんな物か考えられるかもしれない。
episode14「決戦へと」
「いくぞ!
僕達ドラえもん軍、出動!!」
とどこかで聞いた事のあるような言葉を発した後、彼らに向かい前進した。
「変身! と書いてトランスフォーム……するわけないよ」
と彼はデルタフォンでデルタに変身すると銃(デルタフォンは形からして銃である)を構えた。
「トランスフォームに出動!
ってお前らはいつの世代の子供だ!!」
と涼徒は二本の内の一本の剣を投げた!
「マトリクスを持ちながらマトリクス!
をやってみたい!」
とのび太はキ○ス・リーブスのように胴体を反らしこちらに投げられた剣をよけた、
この芸当は仮面ライダーデルタに変身したから出来る技なのである……ちなみにマトリクスは「トランスフォーマー」を見ればわかる。
「こ、この今時のガキめ!!
貴様に現実を思い知らせてやる!!」
と涼徒は手をかざした、すると
「ぎゃあ! もう当たる!?」
投げた剣が帰ってきてそれは彼の背後に命中し倒すと、手元に戻った。
「ふん、ブーメランの原理すら知らんのか!?
貴様は!」
「ごめんなさい」
と彼にそう言い放たれたのび太はデルタムーバーを構えると
「てやあ!!」
と彼はジャンプするとそのまま回転し乱れ撃ちを放った。
「のわあぁ!」
「ちぃ!」
涼徒は回避したがドラえもんの劣化コピー四体は命中した、が
「……」
ソフィアが背中の翼のような鞭を三体の体に接触した、すると
「恩に着る」
ダメージを受けた箇所が修復された。
「ち、治療役!?」
と声を上げたのび太、しかしそんな事を発する暇はない。
「食らえ!
オメガドラスラッシュタイフーン!!」
とドラえもんが凄まじい勢いで回転斬りを放つ、それは竜巻の如く四体に突っ込んだ。
「よ、よけろ!
劣化コピーの我々ではヤツには対抗できない!」
しかしその指示は彼に隙を与える事になる。
「とりゃあ!!」
彼らの中心に割り込んだ。
「のわあぁぁぁーーーっ! こ、こんなに早く負けるとは……」
と無念そうな表情で吹き飛ばされる彼らだった、もうやられたのかよ、はええな、おい。
「さあ残りはお前だ! 信二!」
と余裕な表情で名指ししたドラえもん……だが
「これで終わりだと思ってんのか? おい出て来い龍徒!」
と信二は彼を呼び出した、すると
「……」
覚悟を決めたかのような表情で現れた青年「龍徒真夜」……彼の手には双剣が握られていた。
「止められるのなら、止めてみてくれ」
と呟くと彼は双剣を構えると
「もちろん止めるさ! 僕の心を込めた剣でね!!」
呼応するかのように、彼も大剣を構えた。
「先手必勝!!」
と衝撃波を飛ばした!
ヒーローが不意打ちかよ! と思った人、誰?
「!!」
と間一髪でジャンプし回避した龍徒、もちろんそこで狙われない分けが無く……
「てやあぁっ!!」
とドラえもんは衝撃波を放った。
「くっ!」
と彼は体を回転させ回避行動を取ったが衝撃波彼の右腕に掠った……それと同時に……
「な……?」
ドラえもんの変身が解除される、何故なら「オメガカイザーギア」に彼の剣が刺さっていたからだ。
「やるね……
ゼクロスさん、どうやらギア本体の自己再生は壊される事は無いだろうと思っているのか遅いな……」
と彼はベルトを床に置く……変身ベルト「オメガカイザーギア」は自己修復が始まっているが欠しくない。
「正々堂々勝負と行こう!!」
「ああ!」
と彼らは再び剣を交えた、そして
「あ、あれ……俺は? もう用無し?」
「そうだよ……何故なら!
お前は僕達に倒されるからだ!!」
と落ち込んでいる涼斗にショックガンでの攻撃をしかけた一同!
しかし
「ちぃっ!!」
と舌打ちをしながらもレーザーを回避し、拳銃を構えそれを八回引き金を引いた。
「ハハハ!このスーツの前ではそんなものはプラスチックさ!」
とのび太は弾丸を全て受け止めるとデルタムーバーを発砲、彼の拳銃に弾丸を命中させた。
「いくら、それ程の腕を持っていたとしてもガキに負け続けてはいられない!!」
と彼は剣を取り、デルタ<のび太>へ駆け寄った―――一方、こんな生ぬるい戦いが繰り広げられている時、二人は……
「でぇぇいっ!!」
「くぅっ!!」
龍徒の双剣の片方の剣を弾き飛ばしたドラえもん、力では圧倒的に彼が優勢だったが、それでも負けじと彼も応戦していた。
「そこだ!!」
残された一本の剣で彼の片腕を狙う龍徒、しかし!
「真剣白刃取り!!
接近戦で僕に挑んだ事を後悔するんだね!!」
何と彼は片手で取っ手を掴み、攻撃を阻止した後
「たぁっ!!」
と大剣で彼の剣を切り裂き破壊した。
「剣士たる者、剣の紛失とは敗北を意味する―――何てね」
と決め台詞を吐くドラえもん、もう彼に武器はないあったとしてもそれは肉弾戦のみ、
無論勝ち目は無い―――さて彼の反応は
「負けたよ、流石ドラえもん君だ―――君のような心を持った人間が世界中にいれば平和だったのにね……」
と手を上げ敗北をいとも簡単に認めた、この時オメガカイザーギアの修復は完全に終わっており、
それを確認したドラえもんがそれを拾い上げる―――そして、この組織の総帥が負けを認めた……という事は。
「僕達の勝ちだ! 真二・涼徒!!」
のび太は涼徒に力を込め言い放つ、彼の言葉通りこれは組織の「敗北」だ、しかし彼は悔しがる所か笑みを浮かべていた。
「ああ、負けたよ……だがな、それは組織の敗北であって俺の敗北ではない!!」
と彼は言い放つと、その場から逃走し……
「この組織にはな、
機神と戦う為に作り上げた切り札が<二つ>存在するのだ! 束の間の勝利の味に酔いしれるがいい!!」
と彼は門の前に立ち止まった後、そう言い放った後、門が開きその向こうへ立ち去ろうとしたその時!!
「……!! 何だこの感じ?」
とドラえもんが違和感を感じると、そう言い放った。
「まさか……これは次元転移か!?」
涼徒がそう告げた瞬間……「向こう側」……そう彼らの世界から―――お迎えが到着した。
「武装を解除して投降しろ、お前達を無許可次元転移、脱走及び平行世界の地球征服未遂の罪で逮捕する!」
とどこからか謎の音声が「コチラ」の「軍隊」にそう告げた。
「次元転移……? もしかして!」
とドラえもんはオメガカイザーギアを取り出し変身し
「テトラクテュス・グラマトン!」デウス・エクス・マキナシステムを展開、機神となると外の空間へ転移した、そして
「あの時のドラえもんか……久しぶりだね」
と彼に呼びかける聞き覚えのある声の主……それは
「竜沢君!? ZECS<ゼクス>って平行世界も行き来する凄い捜索軍隊なんだ……」
「まぁね」
かつて共闘した事のある天才幼児「竜沢竜也」だった、彼と会話を一旦交わした後……
「君達が来た事を連絡してくるよ!!」
と彼は空間転移を行い、先ほどの場所へ……
「ドラえもん! どうなっているの!?」
「ZECSが……平行世界の僕達が来たんだよ!!」
「そうなの!? 良かった……!」
とドラえもんの報せを聞き歓喜の声を上げるのび太……そして
「ちぃっ!
さらに質が悪い悪い餓鬼共が来やがったか……」
と舌打ちをし、不愉快そうに呟いた涼徒……
「これで、組織だけではなくあなたの敗北だ!!
投降しろ!!」
「まだだ! まだ敗北とは決まってはいない!
勝負は……これからだ!」
そう威勢よく宣告するドラえもん、しかしそんな言葉は彼には届くはずが無く門の向こう側へと立ち去った。
「アイツが逃げた所で脱出しよう、ケンタウルスに乗り込ませる、搭乗機は僕が空間転移でアレに送るから」
とドラえもんは手を翳したその瞬間、彼らの姿は消え―――そしてこの船に搭載されていた「一部の搭乗機」も消えた
……空間転移でケンタウロスへ移動させたのだ、それを確認したドラえもんは自らとケンタウロスを空間転移で宇宙へと出る。
「来たな……
お前らの処罰についてはアイツの判断で決まる、人は殺してはいないからまぁ処罰はかなり緩いぞ」
と「ソレ」を確認し、そう告げた声の主、それは竜沢ではないが、それも聞き覚えのある声だった。
「新羅君か、相変わらず二枚目を演じているね」
「悪いか」
と声の主にスピーカーを通じて通信した龍徒、返答した声の主は「新羅隆司」、
異世界を越えて旅をする者の一部の間では有名な存在でもある。
「あれ? 涼徒さんは?」
と問う声の主、その声の主はドラえもんと酷似、いや同じだった、何故ならば
「あの旗艦の中に潜伏しているよ、僕」
とディバインセイバーズの旗艦を名指しし返答したドラえもん、言葉についている「僕」とは……
そう問い掛けた声の主の事であり「平行世界」の彼だった。
「ありがとう」
と感謝の言葉を述べると、彼らの乗る旗艦と思しき戦艦はディバインセイバーズの旗艦の方向へ前進した。
<フン、今に見ていろ……>
と彼らの動きを傍観しそう呟いた涼徒、今彼はロボットのコクピットらしき場所の椅子に座っている……
そして彼はコントローラーらしきトリガーを手に取った。
「もうその艦は我々が完全に包囲しています!
諦めて降参してください、涼徒隊長!」
と彼のいる旗艦にそう告げたZECSの艦隊の戦艦の艦長らしき男、その隊長という言葉から彼が涼徒の部下だった事が分かる。
「様子がおかしいぞ…… 皆! 戦闘準備だ!」
とドラえもんが全艦隊に指示を下し、下した張本人と竜沢、新羅は謎のツールを取り出した……そして、ついに
「アブゾーバー! 始動!!」
と涼徒は叫んだ、すると彼の搭乗している機体が動き出した、その瞬間!
「何だ!?」
と一同が驚愕の声を上げた……何と旗艦から炎が上がり……そして謎のロボットが爆発の炎で生じた煙から姿を現すと、
その瞬間旗艦は爆発、跡形もなくなっていた……しかし出現したロボットは全くの無傷であった……
「クハハハハ!! どうだ! これが……俺達ディバインセイバーズの切り札の兄弟機の一つ……アブゾーバー!
吸収者の名を持つ機体だ!!」
と通信でコチラ側に威勢よく言い放った涼徒、
先程の光景から何故「ソレ」が「切り札」の一つとなっていたのか理解したような気がした。
「さぁ……俺達の旗艦を爆発させる程のパワーとエネルギーを持つ、このアブゾーバーを……倒せるものなら倒して見せろ!!」
と彼はまるで勝ち誇ったかのようにそう言い放った……
ついに始まった、最終決戦……果たして勝つのはドラえもん一行か?
それとも……
続く
〜オマケ〜
アブゾーバー
詳細:劇中で言っていた二機の内の一機の名前、それは切り札の一つ……
機動させた瞬間、旗艦を爆発させた程のパワーとエネルギーを持つ……
そのままでは機神に敗北するのは目に見えている……しかし彼の「機神と戦う為に作り上げた」とは?
元ネタ
マトリクス
詳細:TF世界で殆どの総司令官が持っている代物、凄い物としか言えない。
マトリックス
詳細:後者のマトリクスである、映画、あのシーンで有名、多分
デルタ
詳細:仮面ライダーデルタの事、これに変身できるようになった経緯は前々作参照。
ケンタウロス
詳細:先端にドリルをつけていて艦橋がロボットの上半身になっている戦艦、
元ネタはスーパーロボット大戦OGシリーズのクロガネとヒーロー戦記のXNガイスト
episode15「吸収者は吸収神へと」
「さぁ……かかって来い!!
まぁ最もドラ公とその関係者以外勝てるわけがないがな!!」
と笑いながらこちらに言い放った涼徒、その口調、表情は余裕で満ちており、
そして機体の全長は約100メートル程の大きさと周囲は圧倒された……大きさだけでなく……力に
「そんなお前、修正してやる!」
ドラえもんは某機動戦士Zを思わせる台詞を発すると剣を掲げ……
「いくよ、ライトニングファング!」
と叫んだ―――すると次元を越え三十mはあるロボット<特機>が出現、胸部のハッチを開くとドラえもんをコクピットへ転送させた。
「ライトニングファング―――雷の牙か……だがその牙も吸収者の餌食にしてやる!」
と彼の搭乗するアブゾーバーのアイカメラが一瞬妖しく輝いた、それはまるで何かを示唆しているようにも見えた。
「近くで見ると本当に大きいな、このライファンもアイツの機体の三分の一の大きさでしかないな……
ある意味、特機らしい特機だな……」
とライファンに搭乗するドラえもんはアブゾーバーを見るとあっけに取られる、大きさはあまりにも違いすぎるが
戦闘能力は現時点のアブゾーバーを一瞬で破壊できる程にある……しかし油断は出来ない相手だと彼は判断している。
「大きさも強さの要因さ!
だけど、お前の乗っている機体と僕の機体の場合、強さと大きさの釣合いが取れてないんだよ!」
ドラえもんはライファンをアブゾーバーの懐へ詰め寄ると、拳を構え―――
「てぇいっ!」
ドラえもんが腕を動かし拳を放つと、機体もそれに合わせ拳を打ち一瞬にしてアブゾーバーを殴り飛ばし大破させた。
「てめえ、やりやがったな!!」
と怒りを露にする涼徒、その機体は何と自己再生能力を備えていた、が回復速度は何せ機神の攻撃を食らったので遅かった、
その直後構えると
「不味い! 皆、出撃するんだ!
早く出撃しないと彼が大変な事に!」
と龍徒がZECSの旗艦と自分の搭乗している船全体に通信でそう言い放つと駆け出すとケンタウロス内部にある
ブロイドの格納庫へ向かうと、彼らもそれに連なり駆け出した。
「彼が大変な事にだと……?」
「自分の作った組織の切り札なんだから、きっとどんな機体かを分かっているから言ってるんだ、出撃準備だ!」
竜沢は「あるツール」を取り出すと、平行世界のドラえもんと新羅もその「ツール」を取り出しそれを掲げた。
「コール、カイゼリオン!」
「コール、クロノウス」
「コール、イレイザー!」
と三人は叫ぶと彼らの姿は光に包まれ消えた―――
空間転移だった、彼らは自らの機体に搭乗が出来た事を確認すると又も転移で宇宙空間へ
「ふんっ、見届け人共め!
まとめて片付けてくれる!!」
と駆けつけてきた彼らにそう言い放つ彼、しかし機体は誰もが見れば分かるぐらい絶望的な状態だ。
「まとめて片付けてくれる?
逆にそうならなければ良いんだけどね!!」
とアブゾーバーの元へ駆け出すライファン……これでこの戦いは終わりだと見届け人達はそう思った……だが
「ククク、馬鹿め!
貴様に一方的にやられたのはあくまでも作戦だ!!」
と何と彼は驚愕の事実を語ると彼の搭乗機<アブゾーバー>が胴体の装甲を展開したのだ。
「しまった!?」
彼は涼徒の真の目的を察しその場から離れようとしたが、それももはや無駄な抵抗に過ぎず……
「うわあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」
ついには胴体の装甲に吸い込まれ……吸収者の餌食となった……そして……機神を吸収した事により変化が……
「素晴らしいパワーだ……これなら……地球どころか一つの銀河系も征服できる!」
アブゾーバーの背部にまるで悪魔や天使……その両方の翼を一つに纏めたかのような光の翼が具現かした……
「見たか!!
もはやこのアブゾーバーはただの吸収者ではない!!」
とこの場に居る全体に呼びかける彼の口調、そして表情は余裕に満ちており……
「お前達が倒せる存在では無い」と言っているのと同意義であった……そして」
「今この瞬間こいつは神を吸収した者……いや吸収神!
アブゾーブデウスとなったのだ!!」
と彼が叫んだその瞬間、アブゾーバー……否、現<アブゾーブデウス>から衝撃波が発せられた。
「ちっ!!」
それを間一髪上昇し衝撃波を回避したブロイドとロボット……しかし彼らは回避出来ても、その衝撃波は……
「総員衝撃に備えよ!! うおぉっ!?」
と艦内にいる隊員に呼びかける艦長……彼らがしゃがみ込んだその瞬間衝撃波が全艦隊に命中した。
「全艦隊の大半が大破だって!?」
と龍徒が今の状況を解説する、彼らの周りには衝撃波によって大破した艦隊があちらこちらに目が移った。
「フン、さぁどうする?」
と勝ち誇ったかのような発言を取る彼……いや実際、今の現状からすると勝ち誇るのも当然である。
「さぁどうするだって……?
もちろん決まってるさ……!!」
のび太はブラスディバイストを構えさせ銃を装備させると……
「お前のブロイドから……ドラえもんを助け出す!!」
「助け出すだと……?
果たしてその前に生き残る策を考えたらどうだ?」
のび太は力強く叫びドラえもんの救出を宣言する……しかしそれを否定する涼徒……この瞬間……
ディバインセイバーズ、そしてこのブロックの世界を巡る戦いは最終決戦へ向かった。
続く
〜オマケ〜
アブゾーブデウス
詳細:
吸収と神をくっつけただけの安易な名前。
吸収したドラえもんの機体の性能とアブゾーバー自体の性能もありライファンを越える戦闘能力を持つ。
EPISODE FINAL「終わる事、始まる事」
「神の力、まったくこんなものを楽々と作り上げられる奴がいるなんて……異世界とは本当に広いものなんだな? ガキ共!」
真二は口調を強めると、アブゾーブデウスに聖剣を装備させ一振り二振り、そして構える。
ただ、ただそれだけで、ただそれだけで威圧感が彼らの身体中に迸った。それが神の力の恐ろしさ、凄まじさを物語る。
「神の力を得てしまったあいつを倒すのは不可能だな……
ゼクロスとかいう奴がこの事態に気づくまで持ちこたえるか、ドラえもんを奴の機体から救出するかだ」
と新羅は仲間達に通信でそう告げ、今の自分達に突きつけられた選択肢は「現状維持」「救出」の二つだけである事を語る。
「持ちこたえる? あいつを相手に!? それじゃあドラえもんを救いだすしかないじゃないか!?」
と思わずそう叫び新羅に突っ込みを入れるのび太、どう見ても、どう聞いても、どう足掻いても絶望的であるこの状況、
果たしてどう切り抜けられるか?
「叫んで攻撃、という漫画やヒーロー染みた攻撃が出来るとは何とも便利なものだな……魔法というのは!!」
アブゾーブデウスが片腕を掲げた瞬間、幾つもの光の柱が彼ら目掛けて襲い掛かる……。
「ちっ!」
新羅が舌打ちすると同時に彼らは自機に回避行動を取らせ、直線的にこちらを襲い掛かってくる閃光を
上方へ、下方へ、左へ、右へと動かす。
それが数十秒間、続いたが攻撃が止むと同時に彼らは飛び道具を使用したが、
発射された飛び道具がアブゾーブデウスの目の前に迫った瞬間消滅した。
「……異国の言葉で神の領域という名前のバリアなんだろうね、それは?」
「そうかもしれないな?」
竜沢の言葉にそう言い返した涼徒、その口調は自信で満ち溢れている。
「ほうほう、凄いなぁ神の攻撃に数分間以上持ち応えているなんて……」
その激闘を傍観していた者がいる、その背後にもう一人いる。その言葉を呟いた者は、
神の力を得るシステムの考案者にして作成者の一人である「ゼクロス・アークウィンド」……そしてその旧友である「久原マサト」
「お前、早く助けに行けよ?
何でドラえもんに早く知らせないんだ?」
「特訓だからだよ」
「……お前、あれを特訓だと?」
「そうだ、何せこれから神に近い者、いや神の力、体を持つ者達と戦わなきゃいけないからな?」
久原の質疑応答に答えるゼクロス、その表情、言動、口調からして彼が「最大」の危機に直面するまで加勢はしないつもりなのは確実だった。
「神の力の前では、かのジャッジメント・ゼロ総帥や上司でも無力か?」
「そうみたいだけど、神の力がなければただの嫌韓中の反米思想者だよね?」
涼徒の余裕に満ち溢れた言葉に対してそう吐き捨てた竜沢、後退しながらも自機にビームを撃たせながら救出の策を練っている。
「おぉぉぉぉっ!」
そこに新羅駆るクロノウスがアブゾーブデウスの胸部装甲目掛けて前進した、
涼徒が竜沢と応戦した隙を狙っての事なので思ったよりも早く胴体の目の前に辿り着けた。
すかさず胸部装甲を抉りドラえもんを救出しようと試みる、が
「そんな事をさせると思うか!」
次の瞬間、アブゾーブデウスは、その巨大な足で……クロノウスを薙ぎ払った、それにより装甲に亀裂が入り砕け、
右のアームと脚部が砕けた、文字通りにだ。神の力を得たアブゾーブデウスのキックを受けた、なのに大破で済んでいる
……それは彼が本気ではない証拠を表すには十分過ぎる状況、光景でもあった。
「笑えんな……本当に」
「まぁ、そもそもこんな状況で笑うことが無理なんだけどね……」
大破したクロノウスから新羅がドラえもんに通信を入れる、無論取り込まれたドラえもんではなく並行世界から来た彼の方だ。
彼らの会話からこの状況の絶望感、そして危機感の異常さが感じられる良い証拠でもある。
「つまらないな……」
涼徒は今の状況、そして彼らの状態から不適な笑みでそう呟いた。彼の次の行動、果たして何をやるのか……予測できる訳がなかった。
「……時間切れか、まぁ合格だろうな、ここまで持てば……」
そう呟いた彼は口元を緩めて笑みを浮かべ、目を閉じた。
「ふん」
ちょうどその時、自信に満ちた表情で吐き捨てた者が……
彼の者が駆る巨大な神々しい雰囲気を持つ巨神は剣を掲げたかと思うと次の瞬間振り下ろされた……白き閃光と共に
「ここまでか……?」
白き閃光が自分達を飲み込まんとしているこの状況、新羅はいや一同は死を覚悟した……が
「な!?」
涼徒は唐突な光景に声を上げずにはいられなかった、
何故ならば自らの機体が剣を振り下ろして放った白い閃光が謎の陣形状のエネルギーに、いやバリアーによって弾かれていたのだから。
「はははは……どうやら間に合ったようだね?」
と明るい表情を浮かべるドラえもん、その瞬間陣形の中心部から30mはあるであろう鉄の巨人が現れた……
いや巨神と言うべきであろう、何故ならば
「ゼクロスさんから、もう一人の僕のピンチを聞いてわざわざ駆けつけてきたよ」
とモニター越しから通信で彼らに話しかけた蒼い物体……そう並行世界から来た機神<デウス・エクス・マキナ>への
変神能力を持ったドラえもんだ。
「むぅ……平行世界の奴にも神の力を授けていたのか、このシステムの作成者のゼクロスとやらは!?」
その直後、涼徒駆るアブゾーブデウスは今にも剣を振り下ろさんとしていた、しかしその直後その剣を握り締めるアームが分断された。
「へぇ、もう一人の僕を取り込んだのか……」
この時、彼の駆るライトニングファングは手に剣を握りしていた。
この状況から彼がライトニングファングにその剣でアームを切断した事が分かる。
「そこだ!」
すかさず、もう一体のドラえもん駆るカイゼリオンが銃を取り出し握り締めると、
切断されて露出した機械目掛けて閃光<ビーム>が銃口から撃たれ、腕に見事に命中し爆発した。
「ぬぅ!!」
先ほどの攻撃で、ひるむ涼徒。
無論そんな隙を逃さないドラえもんではない、
すかさずライトニングファングを前進させ<一瞬>にしてアブゾーブデウスの懐に接近すると
「さぁ、僕を返してもらうよ!!」
そう叫んだドラえもん、その直後ライトニングファングは何とその手でアブゾーブデウスの胴体の装甲を剥ぎ取る、ブロックの破片、
そしてブロックの板がしばらく散乱し、ついにライトニングファングを外に露出させるとその直後それを取り出し軽く放り投げた。
「うぅ、動けなくて本当に暇だったよ……」
その時取り込まれ先程ブロックの胴体の胸の装甲あたりから露出したライトニングファングから通信が入った、
そのモニターにはいかにも退屈そうな表情をしたドラえもんがいた。
「ドラえもん!!」
彼からの通信に笑顔を浮かべて彼に通信を入れたのび太、ドラえもんはモニターで彼の顔を見ているが、
その表情は口調からしても言葉からしても本当に嬉しそうだった。その表情で不意にドラえもんも笑顔でそれに返した。
「ふん、機神が二体に……しかし……」
「本来の性能に機神の力がプラスされて、お前の機体を圧倒しているから、どう足掻いても勝てないとかと言いたいんだね?」
「あれ? 図星だったのか……な!!」
涼徒の一言に割って入り、問いかけるドラえもん。その問いに答えず沈黙した彼……
その直後に二機のライトニングファングのハイキックがアブゾーブデウスを蹴り上げた。
「他人から貰った力に溺れたらろくな事にはならないという事を、今までの仕返しをして教えてあげるよ!」
そして更にアブゾーブデウスの破壊されていない片方のアームを狙って、キックを連発した。
まるで集中砲火の如く襲い掛かるドラえもん駆るライトニングファングのキック、
そして連続蹴りが止んだ時には片腕の装甲が凹み操作が出来ない程になっていた、そこをすかさず剣で片腕を付け根の部分から切断した。
「ち、まだ足が!!」
両腕を切断及び破壊されたアブゾーブデウス、しかしそれでもめげずに回転蹴りを放った。
「ふん!!」
その回転蹴りに対してほぼ同時に二機のライトニングファングは踵落としを放ちその衝撃で攻撃を防ぎ、そして
「「たぁぁっ!!」」
二つのドラえもんの掛け声と同時に、止めと言わんばかりに……
ライトニングファングの拳がアブゾーブデウスの腹部を打ち貫いたのだった。
「……流石、化け物ハンターの蒼い悪魔だな……」
その時、涼徒から通信が入った。その表情は曇っており、どうやら観念したようだった。
「しかし、これで終わりではない。
俺達が生まれた日本に存在するあの恩知らずの寄生虫共を排除するまでは……
あの加害者人種であるコーカソイド達を修正するまでは……俺は諦めんぞ!!」
だがその直後の彼の表情は豹変する、怒りと憎しみ、悲しみが篭った表情に……。そして通信がふと切れると
「!?」
アブゾーブデウスは虹色の光と炎を放ち続け、そして光のエネルギー波と共に爆発した。
「自爆による自決と見せかけた逃亡か」
と静かに呟いた竜沢、かくしてあっけなすぎるが、この世界での最終決戦は終わりを告げた。
吸収神のあざやかな光を発し続けた最後によって……だが、まだ彼らの役目は終わっていない。
自分の生まれ育った世界への帰還という役目は……
……
…
・
「ねぇ?これからどうするつもりなのかな? 僕の大切な義理の兄弟とその父親を?」
「(! 兄弟……)」
「(劣化コピーじゃなくて兄弟と呼んでくれた……?)」
「……処刑はしないさ、人命を奪っていないからね、彼らは」
ドラえもんの問いに無愛想な表情でそう答えた竜沢、そのドラえもんの言葉に感銘を受けたドラーモン、ドラン兄妹、そしてソフィア
……彼らはオリジンが<ドラえもん>である事をこの時ほど誇りに思った事は無かった。
「まぁ、そこの四天王は僕の組織の一員となるための教育と訓練を、そしてそこの龍徒には……僕の許しを請うまで下働きだ」
「……弩級のサディストの君に言われるといろいろな意味で背筋が寒くなってたまらないな」
竜沢の言葉に表情を曇らせそう呟いた龍徒、その両腕は鉄の手錠によって自由を失っていた。
「……もちろん、あのちゃちい兵器群は僕達の所有物になるけど、何か?」
「僕、いや僕達は別に聞いてもいないんだけど……」
竜沢の唐突の一言に突っ込みを入れる平行世界から加勢したドラえもん……
その時倉庫から多数のブロイドが縮小され巨大な乗り物に積まれていっている。
「でもこれからブロイドは必要になるときが来るだろうね」
「……これから始まると言われているラグナロクか」
その時、竜沢が意味深な一言の直後に、それが指しているもの<答え>を瞬時に導き出した新羅……
それはそう遠くない、いや近い未来起きる事であった。
「でも僕はラグナロクの勇者じゃない……
そう言われたよゼクロスさんには、そもそもあの人がどうやって勇者か否か分かっているのか疑問だけど……」
「別の平行世界」のドラえもんはそう言うと、ライトニングファングの懐に歩き始め……
「僕は……君達の生存を祈り続ける事にするよ」
と激励とも受け取れる別れの言葉を発すると、虹色の光が彼とライトニングファングを死角残さず覆い隠すように包むとその直後、
その光が消えると同時に彼らの姿も消えた。
「僕達も帰るよ……それじゃ、いつかまた会おう……その時はラグナロクの直前か直後かもしれないけどね」
「またね」
竜沢は彼の帰還を見届け、ドラえもんとのび太にそう告げると背を向けるとそれに連なり彼らも背を向け、平行世界、巨大な乗り物
……平行世界転移装置内臓のタイムマシンの出入り口の一つにあたる扉まで移動するとそのまま扉を開いてその向こうへ行き、
彼らの視界から消えた。
「……あの人はいつか僕達の目の前に現れるだろうね」
「そうだろうね」
「あの人」の話題を振ったドラえもんに言葉を返すのび太、次の瞬間<並行世界の住人>を乗せた船は視界から消え去った、
それを確認した二人は名残惜しそうにその場にしばらく立った後、ドラえもんと一緒にライトニングファングのハッチへ移動し乗り込んだ。
「僕達のドロイド以外のブロックをお土産に持って帰ろうか?
ドラえもん?」
「もう疲れたから、早く帰るよ」
「そういえばそうだね。よし、帰ったら昼ねしよう」
「君はいつもそれだよね……まったく、大体君は……」
そんな不要とも言える会話を繰り広げながら、彼らはこの……
魔法と科学が混在する世界から平行世界転移で自分達の「生まれ故郷」である世界へと帰ったのだった。
「(精々浮かれていろ、ブロイド最強の吸収神<レキュイスト>が……俺が行動を開始するまではな)」
そして、彼らがくだらない会話を繰り広げている時、
無常なまでに沈黙している限りないと言って良いほど広大な黒い空間「宇宙」に存在している物体、いや鉄の巨人があった。
……
…
・
「……やはりこの強すぎる体では、変身時の素の体の能力は変身対象と同等に上げる事は出来ないか……」
そう呟いた黒いコートを纏う小柄の躯を持つ者……外見は中学二年生に見えるが、彼から発せられる「何か」はどうみても、
どう感じても「中学生」のそれではなかった。
「(王の因子、ダグバのベルト……腹部に埋め込んだ瞬間、後者は溶け始め……前者は体内の細胞によって消滅させられた……
この結果から見て嫌なほどに自らの肉体がどれほど人知とやらを超越しているかが分かるな……)」
その小柄の躯を持つ者、いや「少年」の姿をしている者と言うのが適当か……
その者の手には何かを象った謎の物体が、ドロドロの……液体状になりかけ寸前の固体のようになっており、
それを握っていない片手には何かの模様が浮かび上がったが、すぐに何事も無かったのように消えた。
「(変身しても、その変身時の素の体の能力は<オリジナル>に匹敵しないようになってしまうが……魔力に変換しての吸収が適当か)」
彼はその直後、そのドロドロの物体を握り閉めると、謎の灰をコートのポケットから取り出し反対の片手で握った、
すると彼の体が光を、オーラを発した。
その直後、彼の体に取り込まれるかのように光に昇華され吸収される「ダグバのベルト」だった物体と
「王の因子」が込められている謎の灰……そしてそれぞれの手に握り締められていたものが無くなると……
「愚かな人間には、自分達が邪悪の申し子である事を物語らせている存在の姿で裁くのが最適だ……」
そう呟いた瞬間、彼の血走る瞳、顔に浮かび上がる模様……これはある種、もうすぐ始まるであろうラグナロクの開戦を
……そして、その序章を物語る出来事でもあった。
終わり
〜オマケ〜
あの人
詳細:無論涼徒。
王の因子
詳細:人類の進化系である存在の頂点に立つ者の因子
ダグバのベルト
詳細:究極の闇をもたらす存在の真の強さを引き出すための必需品ともいえるもの。
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