RAGNAROK

名無しさん

 

第一話

 「どっらやっき♪どっらやっき♪う〜れし〜な〜♪」

ドラ焼がたくさん入った袋を抱え、歌を唄い、しかもスキップまでして
喜びを表しているのは、そう、我らがドラえもんである

「ただいまー!!」

ドラえもんが元気良く玄関を開けると、足元にたくさんの靴があった

「誰か来てるのかな?」

そう言いながら、2階へ上がる階段を上っていくと聞きなれた声が聞こえてきた

「ははぁ、分かったぞジャイアンとスネ夫と静香ちゃんが来てるのか。
 う〜ん、ドラ焼足りるかな?」

ドラえもんがドラ焼の量を心配していると、ふすまが開き、

「あっ、ドラえもん!帰ってきてたの!?」

普段出さないようなとても元気な声でドラえもんを迎えたのはのび太だった

その後ろにはドラえもんの予想通りいつもの三人がトランプを中断し ドラえもんの帰りを笑顔で迎えている

「よう、ドラえもん!今、4人でトランプしてたんだ。ドラえもんもこいよ!」

「ほら、早く早く!」

「ドラちゃん、早く!」

「うん!」




その後数時間、5人はドラえもんの買ってきたドラ焼を食べながらトランプを楽しんでいた


「あぁ〜あ、トランプって久しぶりにやる面白ぇな。・・・ん?」

「どうしたの?ジャイアン。」

「いや、今、机の引き出しが動いたような気がしたんだけど・・・」

「え?ホント?」

「どれどれ・・・」

ドラえもんが歩み寄ったが、特に変な様子はない

引き出しを開けてみたが、真っ暗で何も見えない

「・・・。なんにもないよ」

ドラえもんがそう言って振り返った瞬間、机が「がたっ」と鳴った

全員「!!???」

今度はのび太が恐る恐る近づくとまた、机が鳴った

「な、なんなの・・・・・・?」

のび太が引き出しを覗き込むと、ほぼ間髪をいれずに何かが飛び出した

 

のび太はソレに思いっきり顔をぶつけ、失神し、倒れこんでしまった

同時にソレものび太に『躓いた』せいか、着地に失敗し押入れに突っ込んでしまった

他の4人はいったい何が起こったのか分からないのか、その場で呆然としていた
そして数秒後・・・

「わぁぁぁぁ!のび太くん!」

「だ、大丈夫?!のび太さん!」

「スネ夫!!アレを捕まえるぞ!」

「ラジャー!!!」

すぐさまジャイアンとスネ夫は飛び出してきた何かを取り押さえに、ドラえもんと静香ちゃんはのび太の元に急いだ

「よし、確保!・・・・ってお前は!!!」

「どうしたの?ジャイア・・・ってあぁぁあ!」

その正体は・・・






のび太以外「ハチ!!!!」

*詳しくは「のび太のワンニャン時空伝」を見よう!



「いてて・・・・。と、ひ 久しぶり・・・痛って〜」

「な、何で?」

「いや、何でって、タイムマシンで、って放してくれる?」

「あ、わ、ワリィ」
                 ・・・・・
「ジャ、ジャイアンいくらなんでも『四の字固め』は、やりすぎ・・・」

ジャイアンは急いで四の字固めを外した
しかし、あの一瞬でどうやって四の字固めをかけたのだろうか?

「で、タイムマシンてどういうこと?」

「いやぁ、分かるだろ?」

ハチの言葉に全員が首を横に振った。ハチはため息をつき、面倒くさそうに説明を始めた

「ほら、前にネコジャラがタイムマシンを作ったろ?その図面を参考に、 いろんな所が開発を始めたんだ。

ソレが売られ始めて、今じゃ、一家に一台は持ってるんだぜ。」

「そ、そんなに進歩したのか・・・?」

「で、何しにきたんだ?」

「う〜ん、久しぶりだし、皆を新しい国に案内しようt」

「よし!行こう!!」

ハチが言い終わる前にジャイアンが大声をあげた

「うん。いいね行こう」

「また皆に会えるのね!行きましょう!!」

「え・・?僕はいいよ。ママが心配するかr・・・」

「スネ夫も行くよな?」

これまたスネ夫が言い終わる前にジャイアンがスネ夫に威嚇(?)した
スネ夫は考える余地もなく、

「はい。行きます。」

ほぼ強制的である

そうこうしているとのび太が目を覚ました

「おわぁぁ!何でハチがっ!?」

「説明は後。早く行くよ!」

「え?!ど、どこに?」

のび太はいったい何がなんだかわからないまま、ドラえもんに引っ張られ、机の引き出しに消えて行った

 

第二話

一行は、ハチのタイムマシンに乗って、2億9999万9003年前を目指していた

なぜ9003年かと言うと、ハチが登場した映画が今から三年前だkゲフンゴフン

ハチを除いた5人は、三年ぶりということもあり、かなりのはしゃぎようだった

「いやぁ〜、楽しみだな〜、また皆に会えるなんて♪」

「ホント♪ホント♪」

さすがのハチも、ちょっとあきれ気味のようだ。そして何か思い出したかのように
こんな質問を投げかけた

「そういえばさぁ、なんか皆、声・・・変わってねぇ?」

その言葉に、一瞬にして、空気が張り詰めた
しばらく考え込んだ後にドラえもんがこう言った

「・・・。ねぇ、ハチ?世の中には触れちゃいけないことがあるんだよ?
 よ〜く、おぼえておいてね?分かった?」

ドラえもんは冷たい笑顔で淡々とハチに言った

「・・・・・・・、はい。」

ハチが返事をすると何もなかったかのようにタイムマシンの中はお祭り騒ぎのようになった
ハチはこの様子を見ながら、「何なんだろう?」と、小声で呟いた

「さて、みんなそろそろ着くよ!」

5人「はーーーーい!!」



目の前が真っ白になったかと思うと、眼前に大都市が現れた

「わー、すっげぇ・・・」

「ほら、こっちこっち」

どうやらここは空港のようだ。人がごった返しである

「はぐれたら大変だな・・・」

「お〜い!のび太、早く来〜い!」

「あ、ごめん」

のび太は人ごみを掻き分け、ドラえもんたちのほうに急いだ





―――――――――――――――――――――――――――――――


「さてと、着いたよ。ここがオレの家。」

「結構、大きいね。」

「どうも。さ、入って、入って」

6人は玄関をくぐり、家の中に入った

「今、アイツラ呼ぶから、そこの奥の部屋に入ってて」

「は〜い♪」


数分後、ブルタロー、ダク、チーコも合流した

「わ〜、久しぶり!」

「うわ〜、変わってへんな〜。お前ら!」

「ん?でも、なんか声変わって・・・ムグ!」

ブルタローの口をハチがあわてておさえた

(な、何すんだよ?ハチ?)

(何も言うな・・・)

「どないしたん?ハチ、ブルタロー?」

「「い、いや、何でもない」」

「じゃぁ、折角そろったんだし早く遊ぼうぜー」

「OK!じゃ、遊ぶか!!」




数時間後・・・







「ん?どうした、ダク?さっきから時計ばっかり見て?」

「んあ?あぁ何でもあらへん。そや、いい加減遊びもここらで終わりにして
 テレビでも見ぃひんか?」

「?、まぁいいけど」

ハチはリモコンを取って電源をつけた。テレビの画面にはバラエティ番組のようなものが
やっている

「へぇ〜、この世界にもこういうのがあるんだ〜」

スネ夫が感心するかのように言って、すぐ、テレビの画面がパッと切り替わった

どうやら、ニュース速報のようである。その場にいた全員がテレビのほうに顔を向けた

「番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えします。今日の午後3時43分ごろ、 セントバーナードシティのスタジアムで、

大規模な暴動が発生しました。 スタジアム周辺の住民は警官隊によって無事、避難しましたが以前暴動は続いています。

 なお、大変危険ですので、決してスタジアムには近づかないようにしてください。

 繰り返します・・・」

画面の端っこにはその暴動の様子が写っている。かなり混乱しているようだ

「うひゃぁ、怖えぇ。しかもセントバーナードシティってこっから近かったよな?」

ブルタローが声を震わせながら言った。しかし、ジャイアンはこんなことを言い出した

「なぁなぁ、ちょっと行ってみねぇか?」

一同「えええぇぇ!」

「それはやめたほうがいいと思うわ・・・!だってほら、警官隊も銃も使ってるって言ってるし、かなり危険なんじゃないかしら・・・」

チーコがとても不安そうに言った。だが、ハチが続けてこう言った

「少し面白そうだな、よし、行ってみよう!」

一同「ええええぇぇぇ!!!?」

「ちょ、ちょっと何言ってるのよ!ハチ!さっき私言ったでしょ!? 危険だって・・・・!」

チーコが少し怒りながら大声で怒鳴った

「だ〜いじょうぶだって〜!チラッと見て帰りゃいいんだからさ!なぁ、行ってみようぜ!」

そう言いながらハチとジャイアンは、もう外に出る用意をしている

「行かねぇんだったら、ここで待ってろ。すぐ帰ってくるから」

ハチとジャイアンは玄関を開け、出てしまった

全員はしばらく考えて、

「ちょっと待って!ジャイアン!僕らも行くよ!」

「しゃーないなぁ。皆が行くんやったら、ワイも行くわ」

「・・・、もう!まって、私も行くわ!!」

「ナンだよ。結局、みんな来るのかよ」

「だ、だって・・・」

「まぁいいや、じゃ、行くか」

ハチが自転車に跨ろうとしたしたら、のび太が声を上げた

「ストップ!ストップ!自転車、四台しかないんだけど・・・」

「あ」









次回から物語が進みます。(前フリ長くてすいません;)

 

第三話

ドラえもんたちはフエルミラーで自転車を増やして1人1台づつで、セントバーナードシティに

向かっていた。(のび太は自転車に乗れないため、ドラえもんと二人乗り。ドラえもんじゃ足が届かないとというツッコミは受け付けません)

「あとどれ位で着くんだ?」

風を受けながらジャイアンがブルタローに聞く

「そうだな・・・。そんなに遠くないから、あと2、3分で着くんじゃないか?」

猛スピードで疾走していく8台の自転車。周りの人々も驚いている

「よし。見えてきたぞ!」

9人の目の前には「ようこそ!セントバーナードシティへ!!」という陽気な看板が立っている

そしてその向こうには警官隊の姿も・・・。ハチは自転車を止めた。ドラえもん達も慌ててブレーキをかける

「どうしよう・・・ハチ。警察がいるから中に入れないよ」

チーコが弱気そうに言う。だが、ハチは笑ってこう言った

「力ずくで、行ってやるさ!」

「でも、どう行くねん?フツーに突っ込んでも捕まるのがオチやで?」

「大丈夫!オレに考えがある。皆ちょっと集まれ」

みんなは自転車から降りて、鉢の元へ駆け寄った

「あのな・・・・・・」

ハチが小声で作戦を伝える。だが、その作戦はとんでもないものだった

「マジかよ・・・」

「へ〜。なかなかおもろそうな作戦やナ〜。成功したらポリ公のやつら、腰抜かすでー」

「私、できるかしら・・・」

「なんだよ、チーコらしくねぇなぁ。まぁいいよ。チーコは無理しなくていいからな。」

「じゃぁ、僕らは、ハチ達の後ろをついていけばいいんだね」

「ああ。んじゃ、いくぜ!!」



ハチの言葉を合図に、ブルタロー、ダク、そしてハチの3人が 警官隊の列に向かって一斉に自転車を走らせた

「お、おい。なんか来るぞ・・・!」

「子供だ!お〜い、君たちー!!ここからは立ち入り禁止だぞーー!」

警察官がどんなに叫んでも、ハチ達は止まらない。やむおえず、力ずくで止めようとした時、約3メートルくらい手前の所で
いきなり自転車の前輪が持ち上がった

「!!」

「のわっ!」

「うわーー!」

何が起こったのかというと、なんとハチ達は自転車で『ウィリー』をしたのだ
警官たちが怯んだ隙に一気に全員が走り抜けて行った。コレにはさすがの警官たちも呆然としたが、すぐに追いかけていったが
もう、自転車の影は見えなくなっていた

「早く追いかけないとまずいぞ・・・。ここがどんな状況だか知ってるのか・・・?」









「うっし!作戦成功っ!」

「すごいね・・・。ホントにやっちゃうんだ」

「へへ、まぁな!」

作戦が大成功し、喜んでいる8人に対して、1人だけとても不安そうな顔をしているのがいた

「どうしたんだ?スネ夫?」

「なんかここ、おかしいよ・・・。さっきまではあんなに明るかったのに、ここだけ夜みたいに真っ暗だよ・・・」

確かに、スネ夫の言うとおりだった。あたりは真っ暗で、人っ子一人見当たらない

明かりといえば、街灯くらいである。その光も、なんだか怪しげだ

「ねぇ、帰ろうよぅ」

スネ夫はすでに怯えている。もうすぐにでも泣きそうだ

「馬鹿野郎!せっかくここまで来たんだ!なんか見ねぇと、すっきりしねぇ!」

スネ夫の言葉にジャイアンが怒ったように言う。そんな中、ドラえもんがとてつもない寒気を感じた。

それは今まで冒険してきた中でも、感じたことのないモノだった

「スネ夫くんの言うとおりかもしれない。なんだかヤバイよ・・・。この町。恐ろしいほどの寒気がある・・・」

ドラえもんの言ったことに、全員が固まった。が、その時、後ろの方から足音が聞こえてきた。

音のする間隔から、おそらく走っていることが分かる

 

9人はほぼ同時に後ろを向いた。ハチが腰から剣(ワンニャン時空伝に出てきたアレ)を取り出し、戦闘態勢に入った

 

どんどん足音が近づいてくる。それにつれてその姿も見えてきた。

「人だ」

その場に安堵の空気が広がる。どうやら後を追いかけてきた警官のようだ

「お〜い!君達だな、さっきのは!」

「あ、はい。そうです。すみませんでした・・・」

「まぁ、いいや。無事で何よりだよ。さあ、早く帰ろう!」

そう言って、警察官がつれて帰ろうとした時、何かが飛び出してきた。そして、ソレがいきなり襲い掛かってきた!

「うわっ!」

警官が慌てて剣を取り出しソレを受け流した。着地したソレを見て、一同は驚愕した

「「「「「何だこいつは!!!」」」」」

なんとそれは、体中が腐った『犬』だった

「グルルルル・・・・」

『犬』はまるでこちらを威嚇するように、低く咆哮している
その姿を見て、スネ夫がハッとしたように言った

「ケルベロスだ!」

「け、けるべろす?」

「そう!ケルベロス。コイツのことだよ!」

「こいつが・・・うわっ!」

またもや襲い掛かって来たケルベロスに隙を突かれたのか、警官は左腕を噛まれてしまった

「きゃ!大丈夫ですか!?」

静香が心配そうに駆け寄る。だが状況はますます悪くなった。辺りを見回すと2、3匹に囲まれていた


「くそ・・・、君たちだけでも逃げろ・・・!」

「そんなっ!オレも闘います!元はと言えば、オレのせいですし・・・」

「・・・・わたしの仕事は、市民を守ることだ。言うならばこれは私の仕事だ・・・。 だから、早く・・・うわああぁあ!」

 

 

警官は一気に3匹に襲われ、最後の力を振り絞り、

「今だーーーーーー!!私にかまわず・・・逃げろーーーー!!!」

「・・・っ!!!」

ハチは走った。自分の行動に後悔しながら・・・・

(なんで・・なんであの時行こうなんて思ったんだ・・・!くそ、くそ!)






「イきロよ・・・。おレのぶんマで・・・」









セントバーナードシティ 3番街 PM 4:28

「ハァハァ、一体なんだってんだよ・・・。あの腐った犬は」

「ケルベロスだよ」

「だから!その・・・・・『けるぼろす』って何!」

「のび太くん、『ケルベロス』だよ」

「ケルベロスって言うのは、さっきの腐った犬のこと。ウィルスでああいう風になるんだ」

「な、なんや。やけに詳しいやないかい」

「スネ吉兄さんがやってたゲームに出てきたんだ」

「なぁ、スネ夫。ウィルスって何?」

「コレもゲームの世界のものなんだけど、[T−ウィルス]っていって、感染したら、ゾンビになっちゃうんだ
 あまり考えたくはないけど、多分この町にはソイツが散布されたんだと思う・・・」

「そういえば、数ヶ月くらい前、『キャットハンド社』が変な薬を作ってるって言う噂を聞いたことがあるわ」

「ねえ、『キャットハンド社』って何?」

「『キャットハンド社』はこの星に移住してすぐ創業した会社で、社長がさ・・・」

「社長が誰なの?」

「ネコジャラの・・・息子なんだ」

「「「「えっ!」」」」

「ネコジャラの、む・・す・・・・こ・・・?」

「むっちゃくちゃ怪しいじゃん・・・」

「・・・ああ。多分この事件の黒幕は『キャットハンド」』だ・・・」

「警察はそのことを知ってるの?」

「警察どころか、大統領も知らないはずさ・・・」

「えっ!じゃあ何で君たちが知ってるの?」

「それは・・・。!!」

ハチが言いかけたとき、何かが近寄ってくる気配を感じた。それはひどくゆっくりと、こちら近づいてくる・・・!!

「また、警官?」

「いや、違う・・・。おそらく・・・」

 

第4話

セントバーナードシティ 3番街 PM4:28

状況は緊迫していた。得体の知れない何かが、ゆっくりとではあるが確実にドラえもんたちの方へ近づいている。

のび太がおどおどしながら聞いた

「ま、また警察の人かな?

ちょっとした沈黙の後、スネ夫が答えた

「いや、違う。アレはおそらく・・・、『ゾンビ』だと思う」

その言葉に一同は驚愕した。なんせゾンビなんて空想上のものだと思っていたし、ましてやこんなところにいるとは夢にも思わなかったからである

「ホントかよ、スネ夫?」

「確信はないけどね。でもケルベロスがいたんだ。ゾンビがいても不思議じゃないよ」

のび太はもう今にも泣きそうである。ドラえもんはそののび太の手を安心させるかのように強く握っている。

もしかしたらドラえもんも怖いのかもしれない

足音が近くなるにつれて、その姿が見えてきた。全員が『生きている人』であることを祈った

万が一の時に備えて、ハチは戦闘態勢に入っている












カツン・・・・・・カツン・・・・・カツン・・・・カツン・・・カツン・・カツン

「ウァァああ・・・アアアァァ」





わずかな希望も一瞬にして崩れ去った。近づいてきたモノの正体はスネ夫の言ったとおり、『ゾンビ』であった

苦しそうなうめき声を上げて、生きた血肉を求めさまよう、ヒトの「なれはて」である

「ドラえもん!武器!ぶき!ブキ!」

のび太がドラえもんにしがみつきながら叫んでいる。他の皆は目の前の信じたくない現実に戸惑っている

今まで冒険してきた中でも、こんなインパクトはなかった。あのジャイアンでさえも、恐怖を隠せないでいる

ドラえもんも必死で四次元ポケットの中を探しているが、無駄であった

「ごめん、のび太くん…。今日はほんとに何も持ってないんだ…。武器なんて無いよ・・・・」

「そ、そんな・・・・・・。」

のび太、いやその場にいた全員が愕然とした。一番の頼みの綱のドラえもんが殆ど無力だということに・・・。しかし、たった一人を除いては・・・

「みんな!大丈夫だ!!武器なら、オレが持ってる!」

声を張り上げたのはハチだった。確かに、この時点で武器を持っているのはハチだけだ。だが、ただひとつ問題があった

「でも、ソレってゾンビに効くの!?」

そう、問題というのは、その攻撃がゾンビに効くのかどうかだった。ハチの武器、『ロッドソード』は斬るのではなく、少々強い電流を流し、相手を気絶させるだけのもの。

痛覚等の間隔が機能していないゾンビに対して効果があるのかが分からない。だが、ハチは笑ってこう言った

「効くかどうか分かんないけど、時間は稼げる・・・。オレが攻撃を仕掛けたら、お前達は逃げろ!」

「っ!そんなこと出来ないよ!ハチをおいていくなんて!」

「そ、そうだよ!早く!一緒に逃げよう!」

みんなが説得してもハチは聞かなかった。なぜならハチは、自分なりに責任を感じていたのだ

そして、ジャイアンがそんなハチの覚悟を感じたのか、

「わかったぜ!ハチ!早く逃げるぞ、みんな!」

「「「「えあ!?」」」」

「ジャ、ジャイアン?なんで!?」

「いいから行くぞ!・・・ハチィ!!」

ジャイアンがみんなを引っ張りながら、振り返って叫んだ。ハチもジャイアンの方を向いた

「さっさと来いよー!待ってるからなーーー!」

「ああ!」




ハチはドラえもんたちの姿を確認し、ゾンビに斬りかかった。ジャイアンの言葉に応えるために・・・





「うああぁぁぁああぁっっっ!!!!」














セントバーナードシティ 5番街 PM4:30


8人はしばらく走ったあと、少し寂れたビルの入り口のところでハチを待っていた

幸運だったのは、逃げているときにゾンビやケルベロスに遭遇しなかったことである

もともと、5番街は人通りも少なくどちらかと言うとさみしい地区であった為であろう

「ハチ、大丈夫かなぁ・・・」

「平気やとおもうでぇ。アイツは殺しても死なん男やしな」

「ダク!死ぬなんて不吉な事言うな!」

「おっと、スマンスマン・・・」

どうやらしばらくはゾンビも来ないようなので、8人はこれからのことを考える事にした

とにもかくにもまずは武器である。今は誰一人として武器を持っている者はいない

ハチが帰ってきたとしてもハチ1人に戦ってもらう訳にもいかない。しかも、そのハチが生きているかも分からない状況なのだ

「どうするよ、武器。なぁなぁ、この世界に銃はねぇのかよ」

ジャイアンが少し怒り気味に言う。するとチーコからこんな返事が返ってきた

「銃ならあるわよ」

「「「えっ!!」」」

地球メンバー(ドラえもん達5人)は驚いた。まさかこんな平和そうな世界に銃などという危険度の高いモノがあるとは思ってなかったようだ

なぜか、言った本人であるジャイアンが一番驚いている

「で、どこにあるの?」

「確か・・・4番街に銃器店があったはずだわ!」

「よし!じゃあ早速行こう!」

目的が決まり、出発しようとしたら、なぜかダクとブルタローが浮かない顔をしている

「どうしたのよ?ブルタロー、ダク?」

「いや、4番街は人が多かったような気がしたんだけど・・・。なぁ、ダク?」

「ああ。ちぃーっとばかし危険やと思うんやけど・・・」

「だいじょうぶよ!4番街っていっても銃器店は入ってすぐのところにあるから平気よ!」

「わ、わかったよ・・・」

チーコに説得され、しぶしぶ腰を上げるブルタローとダク。その様子に、ドラえもんは少し疑問を感じた

(なんだ?あの二人の様子は・・・?確かに危険かもしれないけど、あの、怯えっぷりというか、とにかく何かが変なような気がするな)

「どうしたのドラえもん?早く行こう」

「あ、うん・・・」



8人は4番街へと急いだ。ゾンビに会わないことと、ハチの無事を祈りながら。

 

第5話

セントバーナードシティ 3番街入り口 PM 4:29

辺りは悲鳴と銃声に包まれていた。その原因はゾンビである
警官隊は、この一体どこから出てきたのか分からない謎の怪物と戦っていた
だが、善戦とは言えなかった。今や隊員の殆どがゾンビに食い殺され、生き残っているのはほんの僅かだった

「ちくしょう!何なんだ、こいつらは!撃っても撃っても死なないなんて・・・!」

「夢なら早く覚めてくれ!」


警官隊の必死な応戦もこの『生きた屍』には通用しなかった そして一人、また一人と犠牲になっていった

「うわ、来るな・・・!来るな! 来るなああああぁぁああぁ!!!」

「こちら、セントバーナードシティ警官隊! 応援を乞う!繰り返す!  うぎゃああぁあぁっ!!」


まさに、地獄だった。ゾンビに殺された死体が起き上がり、ゾンビとなり果て、同僚を襲う・・・
この死のサイクルに巻き込まれ、ついに警官隊は全滅した。


『おいっ!どうした!応答しろっ!!』









セントバーナードシティ 4番街 12番道路 PM 4:30


「よし、いいぞ。早く来い!」

ドラえもん達は慎重に銃器店に向かっていた

だが、人通りの多い4番街なので道中何度かゾンビやケルベロスに襲われた。

しかし、慣れてくると武器は無くとも、何とか対処法は見つかった 

ゾンビは動きが遅いので、ダッシュで駆け抜ければつかまらずにすむ。

ケルベロスは、そこらに落ちている廃材などを振り回せば、相手が怯むのでその隙に逃げれば何とかなった

そしてどうにかこうにか銃器店に辿り着いた

「ふ〜 や、やっと着いた〜」

「大丈夫か?のび太?」

「あ、うん。ありがとう、ジャイアン」

「じゃあ、みんな、早く中に入ろう」

ドラえもんがドアを開けた。どうやら中にはゾンビはいないようだ
それにここから見る限り、まだまだたっぷりと銃が残っている

「よかった〜 まだ残ってる。さ、みんな早く、早く!」

全員に笑顔が戻った。早速中に入る7人。冷房が効いているのか、すこし涼しい


「僕はコレにしよっと」

ドラえもんはショーケースの中から、サブマシンガンを引っ張り出した。


入手:サブマシンガン 100%
   サブマシンガンの弾×5

装備:ドラえもん


「えっと・・・ぼくは・・・ あ!この2つもらうね!」


入手:ハンドガン(26)×2
   ハンドガンの弾×12

*( )の数字は装弾数

装備:のび太


「お、のび太が銃を持ったら百人力だな。 おれはこのデカイのをもらうぜ!!おれ様にぴったりだな!!」


入手:ショットガン(6)
   ショットガンの弾×45

装備:ジャイアン


「うん・・・と・・、これでいいや。」


入手:ハンドガン(15)
   ハンドガンの弾×8

装備:スネ夫


「静香ちゃんも一応持っといた方がいいよ」

「分かったわ。じゃあこの小さめのにするわね」


入手:ハンドガン(8)
   ハンドガンの弾×3

装備:静香


「ワイ達も持っとくか」

「そうだな」

「あたしはコレにするわ」


入手:アサルトライフル 100%
   アサルトライフルの弾×5

装備:ダク


入手:ショットガン(6)
   ショットガンの弾×40

装備:ブルタロー


入手:ハンドガン(10)
   ハンドガンの弾×2

装備:チーコ

 

 

「みんな武器は持った?」

「「「「OK!!」」」」

「よし!出発!!」

「どこに?」

のび太の一言にドラえもんが固まった

「どこ行こうか?」

ドラえもんの言葉に全員が呆れ返った。

「どこに行くかも分からずに、外に出れば死にに行くようなもんだ!」

「ホントだよー!」

「しっかりしてよ!!ドラちゃん!」

あの温厚な静香でさえも怒り出してしまった。コレにはさすがのドラえもんも平謝りするしかなかった
とりあえず、一行はどこに行くかを話し合うことにした。

「ねぇ、早く脱出しようよ。」

「そうだよ!早く逃げよう!この変な街から!!」

のび太とスネ夫が声を張り上げた。しかし、なぜかみんなは賛成という顔ではなかった

「確かに、この街から脱出した方がいいかもしれない。だけど・・・」

全員が一斉にドラえもんの方を向いた。そしていつに無く真剣な顔でドラえもんが続けた

「だけどさ、もしかしたらまだ生き残ってる人もいるかもしれないよ。それにさ、なんでこの街がこうなってしまったのかを、
ぼくは知りたいんだ」

「そ、そんなの警察に任せればいいじゃないか!」

スネ夫は今にも泣きそうな顔である。早く帰りたい、そんな気持ちでいっぱいだった


しかし、ドラえもんは気にせず話し続ける

「スネ夫くん、さっき見ただろう?ぼく達を助けてくれた警察官・・・。あの人は自分を犠牲にしてまでぼく達を守ってくれた。
 ぼくは、その人の命を無駄にはできないんだ。確かにあの人は死に際に『逃げろ』って言ったけど、ぼくは逃げないよ。
 ぼくはこの事故、いや、この『事件』の黒幕を見つけて自分が犯したことを償わせたい。
 そうしないと、ぼくの気持ち、そして、この事件で死んでしまった人たちの友達や家族の人たちの気持ちが収まらないからね」

「・・・・・」


ドラえもんの言葉にスネ夫だけではなく、その場にいた全員が静まった
そして、ジャイアンがおもむろに立ち上がり、ドラえもんの腕をつかんだ

「そうだな、ドラえもん。やろうぜ!その黒幕探しを!!」

ジャイアンが言うと、みんながどんどん立ち上がった。7人は決意を固めた。やるしかない、という気持ちが彼らの体を動かした
それを見てスネ夫も、覚悟を決めた

「・・・。わかった。行こう、ぼくもやるよ」



その後話し合いの結果、この事件の発端であるスタジアムに行くことになった

大体こういうときは始まった場所に何かがある、というあのび太の意見で決定した

そして、今後行動する上でのルールも決めた



・単独行動は絶対禁止
・女の子は一人にしない
・別行動をする場合は、必ず5分ごとに連絡を入れること
・無理はしない


以上が彼らの決めたルールである

「じゃあ今度こそ出発だ!」

「「「「「ああ!!」」」」

ドラえもんがドアを開けようとしたとき、ものすごい勢いで何かが飛び込んできた

「うわぁ!」

ドラえもんはそれに弾き飛ばせられた

「な、なんだ!?」

 

第6話

セントバーナードシティ 4番街銃器店 PM 4:32

「な、なんだ!?」

飛び出してきた何かに、のび太はとっさに銃を構えた それに続いてジャイアンとブルタローが撃つ準備に入っている
そんななか、ドラえもんが起き上がって声を上げた

「待って!」

戦闘態勢に入っていた3人が振り向いた

「今のは敵じゃないよ」

ドラえもんはそう言って飛び出してきたものに向かって歩いていった
それを見て、のび太たちは不安そうな顔をしていたが、すぐにその不安は喜びへと変わった

「ハチ!!」

そう、飛び出してきたものの正体は、間違いなく「生きている」ハチだった
そして、チーコがよほど心配だったのかハチに駆け寄った

「バカッ! 心配したんだからね!ほんとに・・・!ほんとに・・・!」

泣いているチーコを、ハチはやさしく抱きかかえた

「…。悪ぃ、心配させたな・・・。大丈夫。オレは生きてるよ。ほら、な? だから泣くのやめろよ」

ハチはチーコの耳元で囁いた。ハチの無事にチーコだけではなく全員が喜んでいる
そして、ハチは何かを思い出したのかジャイアンの元へ駆けていった

「約束・・・、守ったぜ!」

そう言ってハチは、ジャイアンの胸をドンと叩いた

「おう!」

ジャイアンとハチは、何も言わず、ハイタッチをした

「ところでハチ、どうしてここが分かったの?」

スネ夫が質問を投げかけた。するととても漠然とした返事が返ってきた

「ん〜・・・。なんとなく・・・かな?」

その言葉にあたりの雰囲気が和やかになったのを全員が感じた。だが本当はこうもしていられなかった

ドラえもんが、ハチに今後の説明をした。ハチは無言でうなずき、銃器店のドアを開けた

「ちょっと待って!ハチ、そういえばあの剣って結局効いたの?」

「いや、効かなかった。でも少しぐらいはショックを与えることができたから何とか大丈夫だと思う」

ドラえもんは「あっ、そう」と言ってハチに続いた。一行はこの事件の始まりの場所、『スタジアム』を目指す・・・。









セントバーナードシティ スタジアム前 PM 4:48

一行はスタジアムを目の前にして、立ち往生していた
なぜならスタジアムの入り口に、と言うよりスタジアムの周りにゾンビがうようよいたのである

「うっひゃぁ、いっぱいいるよ〜・・・。どうする?」

スネ夫が恐る恐る聞いた。返事はもちろん、


        だろ」
「行くしかない  
        わよ」

 

満場一致だった。しかし正面から行ってもただ奴らの胃袋におさまるだけなので、ちょっとした作戦をやることにした

「OK!!行くよ!のび太くんっ!!」

「よ〜し、行こう!ドラえもん!!」


掛け声と共に、ドラえもんはサブマシンガンを、のび太は両手のハンドガンを乱射した
辺りに銃声が響く。こうして道をふさいでいるゾンビだけを倒しながら、ジャイアンたちは正面から突破した

「だああああああぁぁああぁあああ!!!」

「そこだぁぁあああ!!」


薬莢の落ちる音がするたびに、ゾンビのうめき声が少なくなっていった

その腕前を見て、ハチ達は驚いている

「なんだ!?のび太とドラえもんってあんなに強かったのか?!」

「なんだぁ?知らなかったのか?ドラえもんはどうか分からないけど、のび太は銃持ったら強ぇぞ!」

「す、すごいわ・・・。」

「のび太さん、また腕を上げたんじゃない?!」


見事進入に成功したドラえもんたちであったが、スタジアム内は予想以上にひどい状況だった
中はゾンビであふれかえり、ところどころにおそらくゾンビに食い殺されたであろう死体が転がっている

「うおあぁ・・・。ひどいな、これは・・・・・。」

「のび太さん・・・。私、怖い・・・・・」

「静香ちゃん・・。だいじょうぶ、ぼくがついてる・・・」

「みんな、ここは我慢して生きている人がいないか探そう・・・」

そうは言っているがドラえもんも本当は無駄だと思っていた それは全員同じだったが、この後、良い方に裏切られることになる

「今はみんなで行動していると、効率が悪いからここからはメンバーを何班かに分けよう」

ドラえもんが一旦みんなを集めて言った。数分後、班のメンバーが決まった


1班 ドラえもん のび太 静香

2班 ジャイアン スネ夫

3班 ハチ チーコ

4班 ブルタロー ダク


「じゃあ、この無線機を渡しておくから何かあったら、連絡してね。もし、みんなの位置を確認したいんだったら、
 このボタンを押せばみんなが場所が赤く地図上に表示されるから。
 それと、くれぐれも無理はしないように。分かった?」

「OK!」



こうして、9人はそれぞれ別行動に入った



1班はとりあえずスタジアム内を探索することにした

「のび太くん、静香ちゃん、銃は大丈夫?」

ドラえもんの問いに、2人は力強くうなずいた

「よし、行こう」

ドラえもんが先頭を切って進む。するとすぐゾンビが前から数体やってきた

「来たよ、のび太くん」

「う、うん・・!静香ちゃんは下がってて」

「え、ええ」

ドラえもんとのび太は静香を守るように立ち、銃を構えた

「のび太くん、確認しとくけど、ゾンビの弱点は頭だからね。そこを狙って撃つんだよ」

「大丈夫!ちゃんと覚えてるよ」

ドラえもんは軽くうなずいて、サブマシンガンの引き金を引いた
発射された弾丸はゾンビの頭を的確に捉え、息の根を止めた。それに続いて、のび太も銃を撃った
銃声と共に「グシャッ」といういやな音が鳴った。のび太の弾丸も見事に命中し、ゾンビの頭部を撃ち抜いた

「ふぅ、倒したな。先を急ごう」

「あんまりいい気はしないね」

「元は人間だものね、でもやっぱりかわいそうだわ」

「仕方ないよ。少し勝手だけど、生き残るにはこれしか方法がないよ」

「そうね…」


その後も何度かゾンビに遭遇したが、無事に切り抜けることができた
だが、ふとドラえもんが足を止めた

「ど、どうしたの?ドラえもん?」

「いま、何か聞こえなかった?」

「何にも聞こえなかったわ」

「ううん、そんなことない。ほら今も!」

「あっ!ほんと! なにかしら・・・?」

「ちょっと、ぼく行ってみる!のび太くんたちは先に行ってて!」

「え?あっ!ちょっと、ドラえもん!!」

のび太が呼び止めようとしたが、ドラえもんは走って行ってしまった

「ドラちゃん・・・。追いかけなくて大丈夫?のび太さん?」

「だいじょうぶだよ。ドラえもんは帰ってくる。さ、早く行こう」

「ええ・・・。」






その頃他の班は・・・


2班


「ジャイアン、これからどうするの?」

「そうだな・・・。まず、放送できる場所があるはずだ!そこを探そう!」

「なんで?」

「なんで?って、ばかだな〜!お前は!」

馬鹿だな、と言われスネ夫をは少々腹が立ったが、そんなことも気にせずジャイアンは続けた

「放送して、生きている人がいるか聞いてみるんだ!もし、いたらそこに助けに向かえばいいだろ!」

「おお!ジャイアン頭良い!」

「へへっ!まぁな!」

「で、どこにあるの?放送室?」

「それを探す方法を、お前が考えるんだよ!」

「え!?そ、そんな〜」




ジャイアンとスネ夫がこんな会話をしているころ、ドラえもんはかすかに聞こえた声の主を探していた

「確かこっちの方向だったと思うけど・・・」

「ウアアアァァァアァ・・・・・」

「くそっ!またゾンビか!これでも喰らえ!」

パララララララ!

「アアァアアァ・・・・・アァ」

数発の弾を喰らい、ゾンビは死んだ。ゾンビが倒れた瞬間、今度ははっきりと声が聞こえた

『誰かいるの!?』

ドラえもんはそれを聞き逃さなかった。こちらも返事を返そうと思ったとき、

『キャアアアアアア!』

という悲鳴が聞こえた。声のする方向からすると、今までの声の主に違いない、そう思ったドラえもんは走って声の下に急いだ

「ど、どこだ!?おーい! どこにいるんだ!?」

『ここよー! はやく、はやくきてー!』

ドラえもんは声を頼りに、走った。そしてついに・・・

「そこかっ!」

ドラえもんはようやく声の元であろう小部屋にたどり着いた。しかし見ると2,3体のゾンビがいた

「邪魔だあああぁぁああぁっ!!!」

サブマシンガンを乱射し、ゾンビを蹴散らした。そして、深呼吸をして辺りを見回した
すると部屋の隅で小さく震えている影がある。明かりがついていないせいか、あまり良く分からない
ドラえもんはゆっくり歩み寄った

「あの〜、だいじょうぶですか?」

「え、ええ。ありがとう。助かったわ・・・って、ドラちゃん!?」

「あっ!!」

いままでドラえもんが必死に探していた声の主の招待・・・それはなんと

「シャ、シャミーちゃん!!」

そう、ドラえもんがレストランで一目惚れした、あのネコジャラ家の一族であるシャミーだったのだ

「な、なんでシャミーちゃんがここにいるの?」

「それはこっちが聞きたいわ?何でドラちゃんがここにいるの?」

「ぼくの理由は説明すると長くなるから皆と合流してから言うね。で、シャミーちゃんは?」

「ええ、私はここでコンサートの予定があったの。とりあえずコンサートまでは無事に終わったのよ。
それで控え室に戻って待ってたら、スタッフの人たちに引っ張られて この部屋で待ってろって言われたの。
それで気付いてみたらこんな状況になっていたの。ドラちゃんが来てくれてほんとに助かったわ。
ゾンビを倒したときのドラちゃん、かっこよかったわ。ありがとう」

シャミーは少々照れながらドラえもんにお礼を言った。ドラえもんはもう顔真っ赤である

「い、いやそれほどでも・・・」

「あら、そういえばドラちゃん声かわってない?」

「じゃあ、シャミーちゃん。早く行こう!みんな、待ってるよ!」

「え?ちょ、ちょっと、だから、声のこと・・・」

「ほら、早く早く!」

(触れちゃいけないことなのかしら・・・?)

 

この話は続きます。

 

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