第四十五章
「暗躍の影」

(記:ミサイル研究所さん)

「まさか、こんな毒まで奴らは……。」

ハワード、あいつが置いていった和菓子。

奴は俺を消す気だったのか……

ピピポポパパパパパピポ

俺は大統領に電話をかける。

独逸がアルティメットシイングを完成させた事を。

「こちら、マサチューセッツ工科大学付属病院院長のジムです。大統領をお願いします。」

「はい、至急大統領へつなぎます。」

ピー  ガチャッ

「ジム、今日視察したばかりだろう。一体何の用だ?つまらんことだったら貴様の首はないと思え。」

ちっ、権力をふるうだけの猿め!

「大変です。独逸がアルティメットシイングを完成させました。」

「何?夢でも見ているのではないか、少し休んでみ」

そのとき大統領の私室へ突然の来訪者が。

「大統領!大変です!ど、独逸が独逸があ、アルティメットシイングを完成させました!」

その男は大統領補佐官のようだ。

「な、なんて事だ。 君、報告をありがとう。ちょっと出ていってくれたまえ。」

「は、はいっ!了解しました。」

ガチャッ タッタッタッタッタ

そう言い大統領補佐官は走り去っていった。

「ジム、本当のことのようだな。何とか量産を間に合わせてくれ。頼む!」

「わかりました。こちらも何とかやってみます。では。」

ガチャッ ピーッピーッピーッ

「だが、ハワードはどうやってあの方法を……。」

彼の不安はとても深いものであった。



そしてここは独逸の総統官邸。

「また、この地に戻ってこれるとは。感激の極み。」

「いや、少佐。君は私の特秘を達成したのだ。これが当たり前という物だ。」

「いえ、あなた様にもう一度会えるとは。総統閣下。」

「君のおかげだろう。私がここにいれるのも。」

ここは二十二世紀である。少佐とはモンティナマックスのこと。

では、総統閣下とは誰なのか……。

「閣下、アルティメットシイングの量産も着々と進んでおります。しかし、あのハワードという男なかなか使いどころがありますよ。」

「いや、あの男がいたからこそ我々はここにおるのだ。この時代にも私を崇拝する者がいるとはな……、面白いではないか。

さあ、少佐よ。戻るがよい、最後の大隊の再編成を急ぐのだ!」

「はっ、ハイル・ヒトラー!」

そう、ヒトラーが復活したのである。

先にある物は戦争である。

一心不乱の大戦争である。

「ククククク、これで戦争ができるよ。地獄の様な戦争が。」

 

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